次の三例は、完全には良くならないケースです。そして、三人とも独身です。

 

①吉田さんは五十一歳です。

 

彼は、この歳になるまで働いたことがありません。生活は、親の貸家の収入と国からの障害者年金で暮らしています。そして、全てを霊のせいにしています。日々、人間と会話する時間よりも、悪霊と話している時間の方が多いです。

 

当然、いろいろな宗教や霊能者、祈祷師、精神訓練所などありとあらゆるところにお金をかけています。そしてその後、私の所にきました。私の所とも十数年の関わりを持っています。

 

いまだに解決できない要因は、こうしなさい、ああしなさいと指導しても、返事はしますが何事も行動に移さないのです。本人に、家にばかりいないで散歩をしたりとか、『心の友』誌を声に出して読んでみたらとか、道路の掃除をしてみたらとか、いろいろその都度つどで相談に応じて指導させてもらっていますが、ほとんど空振りに終わります。

 

すべてを霊のせいにしていて、霊が邪魔するとか、今日はこの霊が明日はあの霊がいたずらしているからできないと言ってきます。週に三回ぐらいは除霊の依頼も電話できます。いくら除霊してやっても、本人が悪霊と付き合ってばかりで行動を起こさないと前進が無いのです。

 

そして、自分は声が良いから歌手になれたのに、霊に声をつぶされ駄目になったとか、自分は小説家としての能力があるのに霊に邪魔されてできないだとか、必ずできない理由をほかに転化して努力はしないのです。

 

以上の原因には、前世の因縁もあります。ちょっとした小説になるぐらいの詳しい内容も分かっていますが、ページ数が増えてしまうので要点だけで済まします。次の通りです。

 

彼は前々世の時、ヨーロッパのある小さな国の収税人の役をしていました。国王とは親戚関係にあった為、わがまま放題に振る舞っていた男でした。多くの国民を苦しめ、時には毒殺までしました。いじめられた人は数百人に及んでいます。だから、この恨みの念もあります。

 

このような因果律の障りのほか、神の大愛とは逆の生き方をしてしまった因縁もあります。前世で、平安時代にやはり租税徴収上役につき、私利私欲に走り言葉では言い尽くせない悪い行いをしました。最後は、親戚や身内からも疎うとまれ自殺しています。その因縁で今生も苦しんでいるのです。

 

でも、助かる方法はあります。どんな悪因縁があっても神は大愛です。本人が反省し、世のため人のために生き、今までの罪を消す生き方をすればよいのです。しかし、どうしてもここのところが悟れず、自分が悪いのではなく悪霊が悪いのだと霊のせいにしています。自分の魂が低いため、悪霊と同じ波長を出しているからいつも悪霊と一緒いっしょに暮らすことになっているのです。

 

解決への糸口は、本人が心を変え自分の前世と前々世を詫び、身を捨ててでも少しでも世の中に恩返しする生き方をしようと思うことです。今の世に生まれてきて、人間と付き合うより霊と付き合う時間が長いなんて困ったことです。亡くなってあの世に行けば、嫌でも毎日霊とかかわりをもつのですから…。

 

②佐藤さんは四十九歳です。

 

彼は知恵が少し足りないのか、きちんとした会社では勤まりません。私も会社を紹介してやって、なんとか五年ぐらいそこで働かせてもらいました。でも、あまりにも気がきかないし、ヘマばかりするのでついに断られてしまいました。今は道路の旗振りの仕事をしていますが、月収は女性のパートの人より少ないです。

 

これも、前々々世からのつながりです。前々々世の生き方が悪かったため、次の前々世は牛として生まれてきました。そして、前世はアフリカに生まれました。その時、近くに住む祈祷師の一家からよくいじめられた為、ついに腹を立て、動物を射止めるために使う毒矢の毒を食べ物に混ぜてその一家を毒殺しました。

 

十人家族のうち七人が死に、三人は生き延びましたが毒の後遺症があり苦しみました。その三人は祈祷師だけに佐藤さんに向ける念は強く、今生で日本に生まれてきましたが、どうしても普通の人のような行動ができないのです。今も暇なときはいつもウトウトと眠っています。

 

その祈祷師の三人も助け出し善処したのですが、今まで五十年近い人生を知恵足らずの人間として生きてきたわけですから急激には良くなりません。彼は、年老いた母親と生活しているのですが、今の頃は簡単な料理を作ってくれるようになったと母親も喜んでいます。

 

③小川さんは三十八歳です。

 

彼もやはり精神的におかしく、働くことも日常生活もままなりません。身内からも捨てられ、今は国などの生活保護で暮らしています。原因は前世の因縁によります。

 

前々世は、ヨーロッパの小さな国の領主でした。あまりにも領民を苦しめいじめたために、因果律の法則から罪を償うために、前世では人間として生まれ変わることができず牛として生まれてきました。

 

生涯、牛として頭を下げて、生き抜きました。姿は牛でも魂は人間です。そして今生は、人間として生まれてきました。今までいろいろ調べてみますと、牛として生まれ、次に人間として生まれ変わってきた場合には、どの人もみんな精神的に弱く薄知恵です。まともの人生は生きられません。

 

この三人の方は、今生をこういう状況の中でありながら、少しでも神の意に副そう生き方をすれば、次に生まれて来るときは幸せな良い人生になるでしょう。人間の魂は、今生の一代限りのものではなく、何回も生まれ変わりをして魂を高めるのが目的です。

 

神の心は大愛です。自分と同じように他人も愛し、大事にしなければなりません。それを自分勝手に、自己中心的に自分さえよければよいという生き方をして、他人を困らせれば因果応報の法則がはたらき、早ければ生きているうちに遅ければここにあげた実例のごとく、来世、来々世とつながって必ず清算されるのです。

 

くどいようですが、今の自分の姿は前々世、前世、今生の総決算なのです。病気や事故、いろいろの困った事情も、すべて大愛なる神が長期的な見方から幸せにしてやろうと導いてくださっているのです。手引きしてくださっているのです。

 

悪いことが起きるのは、自分の前世や今生の悪い因縁を消してくださっているのです。そして生き方を正しなさいよ、真理を学びなさいよと、手を差しのべてくださっているのです。ありがたいことです。だから神も、「因縁なら通らにゃならん、通さにゃならん」と因縁消滅の筋道を立ててくださいました。

 

それなのに人間は、神の心も分からず目先に現れた困った現象だけを見て、「困った困った、どうしよう!」と慌てふためいているのです。神様の存在、神様の心を知るならば、何事も感謝で受け止め毎日がただありがたく勇んで通れるのです。皆さんにこのことを分かって頂く為に、私は『心の友』誌を書かせてもらっているのです。

 

『心の友』誌を読んでくださる仲間の中には、悟ってきている人もだいぶ増えています。悟った心境を書いて送って下さる方も何人もいます。それらのお便りを紹介したいのですが、ページ数が増えてしまいますので割愛させてもらいます。

 

どうしてもお伝えさせてもらいたいことが多くなり、なるべく『心の友』誌を薄くしたいと考えていますが、ついつい厚くなってしまいます。目に付いたところだけでも読んでみてください。まだまだ紹介したい実例も多くありますが、ページ数の都合もありこれで止めさせて頂きます。

 

ここに書かせてもらった話からも、分かってもらえたことと思いますが、偶然とかたまたま運が悪かったということはないのです。あの人はあんなに努力しているのに、芽が出ない(幸運がやってこない)のはどうしてなのかなと思うでしょう。人生には色々の事があります。見える世界だけの常識では、解決できないことが多くあります。

 

でも、これらのすべてを調べていくと、結局は自分に戻ってきているのです。病気になるのも、物事がうまく行かないのも、お金に困るのも、対人関係がうまく行かないのも、全て自分に責任があるのです。自分のやったことは、全て自分に戻ってきているのです。

 

いまある状態は、すべて今まで生きてきた、今生の生き方、前世の生き方、またそれより前の生き方の総決算なのです。人生は、長い長い道のりです。たまたま、いま悪い状況であっても落ち込むことはありません。大愛なる神が、「お前の生き方は間違っているよ、もっと愛の心を持って生きなさいよ!」とシグナルを送ってくださっているのです。

 

病気や困った状況は、神が手引きしてくださっているのです。神はいつでも子供である人間を幸せにしたい、陽気暮しをさせてやりたいと考えているのです。

 

決して、罰を与えたり怒ったりはしないのです。いつでも、深い深い愛で私たちを見守ってくださっています。私たちは誰でも、この大愛の神の心を分霊としていただいているのです。

 

この神霊に蓋ふたをして、自分と他人を区別して自分さえ良ければよいという自己中心の生き方をするから、多くの心のほこりを作り、それが人生を不幸にしているのです。

 

だから、これから『心の友』誌の中にある親神の教えを読んで、心のほこりを払ってください。お釈迦様やイエス様のところを読んで、愛や慈悲、許しの心を学んでください。

 

Unsplashlittle plantが撮影した写真

*写真と本文は関係ありません。

 

[解説] ヨーロッパの小国の領主から牛になった例を見れば、今世で金や名声を追い求める愚か者たちを羨ましがるのを馬鹿らしく思えるのではないでしょうか。まさか今回の人生が楽しければ来世は牛でいいという人はいないと思いますが、どうでしょうか。

 

税役人に2回も生まれ変わったのは、私の推測では、同じ失敗を二回しないように、試されたのだと思いますが、結局また失敗したのでしょうね。高級霊様たちも、送り出す前に、正直、ああ、こいつは失敗するなーと分かったと思うのですが。あるいは五分五分だったので、送り出してみたところ、失敗したとかなのでしょうか。

 

今回のような事例を見ると気が重くなるかもしれませんが、反省をし、行いを改めれば、運勢が変わる速度はそれだけ速くなります。誰でも今回は償い通しの人生だと思うとやってられませんが、必ずしもそうではありません。悪いことも沢山したが、良いことも沢山したという場合、悪い事の清算が大変な一方で、良いことの芽が開花して運勢もよくなります。

 

ポイントは相殺できないというところで(これは確かなようです)、ジェットコースターみたいな人生になってしまうと思いますが(私の推測です)、ずっと低いところを走ったままの人生よりはよいのではないかと思います。とにかく諦めないことです。

 

今日で心の友26号の実例集は終わりです。26号は分厚いのですが、実例集だけを取り上げてみました。次の内容をどうするかは少し考えたいと思います。