〈Oさんの実例〉

 

Oさんの手紙です。

 

早速お手紙を書かせて頂きました。

 

六歳になった一人息子のことです。

 

四歳ぐらいから思い通りにならないと怒りっぽくなり、大声を出したり周囲の大人を叩(たた)いたりします。

 

しばらく様子を見ていましたが、いまだによくなりません。

 

最近ではお腹が空いたときや、のどが渇いたときに、少し我慢してなさいと言うと頭が痛くなってきたと訴えます。

 

UnsplashDariusが撮影した写真

写真は本文と関係ありません。

 

〈回答〉

 

私からの返事です。この子供の怒りっぽい、人を叩く、頭痛などの原因が分かりました。前世の因縁です。

 

この子供は、前世で芸人でした。芝居の主役を務めていて、しっかり者で男前でした。仲間の中に主役をやりたいと思っている男達がいました。とくにその内の三人が、この芸人の男がいつも主役ばかりやっているので面白(おもしろ)くなく、ねたみやっかんでいました。その三人は、いつも脇役で目立つことがなかったから、彼に逆恨みの念を持ち続けていました。

 

死んでも、暗いところから彼に悪い念を送り困らせ、変なことをさせているのです。彼が悪いわけではないのに、このような念を向けられてしまう限り先々の心配がでるのです。だから、誰も詫びなくて良いです。こちらで善処いたします。

 

これを読んだらこの手紙を送り返してください。

 

〈後日談〉

この三人の霊を助け出し、本人たちに謝らせ善霊の指導を受けるように導きました。二ヵ月後Oさんは親子三人で、すっかりよくなり有り難うございましたと治療院に御礼に来られました。今では、良い子でいるようです。Oさんから電話も時々ありますが、元気に過ごしているようです。

 

[解説] 今回の事例も、本人は特に悪くないパターンです。売春宿に売られてひどい扱いを受けたとか、体を痛めつけられたとか、そういう理由で恨みを向けるのは分かるのです。成仏できないと。

 

これは、いわば、人生ゲームが終わったあと、リセットして忘れて次のゲームに行かないといけないが、反則プレーをした人間がいたせいで、その人間に恨みを向けていつまでも気持ちが切り替えられないという状況です。これは、まあ、わからなくもありません。自分の手で復讐したいと(放っておいても地獄に落ちるのでほうっておくのが一番です)。

 

ただ、今日みたいに、演劇で脇役のまま終わった恨み・・・と言われても、それはちょっとなぁ。。。という感じです。

 

誰でも脇役ばかりではつまらないでしょうけど、主役の人が邪魔してたなら分かるんですけど、そうじゃないでしょうからね。となると、仕方なかったなぁ、と気持ちを切り替えて転生すればいいと思うのです。しかも、恨みを持っていつまでも人間界に張り付いているほどの理由でもないと思うんですよ。

 

本人たちも無念だったのでしょうが、何だか人生は面白いですね。次の人生も役者になりたいかは知りませんが、ハリウッドで主役になるぐらい努力して掴み取ってほしいものです。