私の親戚に、二人の年配の女性がいます。
かなりご年配で、痴呆がかなり進みました。
ただ、二人の『ボケ方』は、かなり違います。

一人は、色々なことを忘れたり、理解できなかったりするけれども、周囲に対して穏やかに接しています。ボケてしまう前よりも和やかに思えるくらいです。そう、幼い子供に返ったような状態で、周囲も子供をあやすように世話をしています。

もう一人は、以前はきびきびとした女性でしたが、大声を張り上げて怒鳴ったり、何度もドアを力一杯閉め続けたり、とても攻撃的になってしまいました。

この二人の違いを見て、私は考えました。これは恐らくですが叫ぶ内容から考えて、後者の女性はずっと前に感じた怒りを抑えて抑えて生きてきて、それがボケてしまった途端に吹き出したようです。怒鳴り声に耐える家族はとても大変ですが、本人も常に張り詰めた表情で本当に辛そうです。

私は自分のことを省みました。夫の命を奪われたということに対する怒りを、私はちゃんと処理できたのか。心の奥に抑圧していないか。

心に怒りを抱えているなら、今すぐにでも外に出そう。クッションをぶったたきながら叫ぶのもいいし、誰かに聞いてもらうのもいいし、思いっきり身体を動かして何も考えられないくらい疲れるのもいいし。そうしてから、誰かを許すのではなくて、自分を許せばオッケーです。怒りに苦しむほどの目にあってしまった自分を許す。もう自分を解放する。

いつかもし痴呆が進んでしまったときに、老体でまた怒りで苦しむのは相当キツイですからね。



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