私の身近にいるある人が、5年くらい前にとても親しい方と死別をして、自身も同じ時期にガンを患い、独り暮らしをしていました。

ガンは治療で治りましたが、死別悲嘆と病後の不安の影響は無理もなく、鬱と不眠が続いていました。時間が経つにつれて少しずつ良くはなっていましたが、やはり浮き沈みがあり、見ているのがツラかったのです。

そこで私はあれこれ考え、ある日ペットショップで3ヶ月の子犬を購入し、彼の家へ連れていきました。そして彼はあまりいい顔をしないのにも関わらず、子犬を置いてきてしまいました。

彼には犬の飼育経験が何度もあり、とてもよく面倒をみていたことは知っていましたが、状況が状況なのでどうしてもダメだと言われたら私が子犬を引き取るつもりでした。

ですが、全てが期待していた通りにいってくれました。彼はどんどん明るくなり、自分のことをするのも面倒がっていたのに、今ではかいがいしく子犬の世話をしています。周りからは甘やかし過ぎじゃない?と言われるほど楽しそうに可愛がっています。

以前は空腹感が全く感じられないと言っていたのに、お腹が空いた、とよく言うようになり、子犬の話を嬉しそうに、愛しそうによく話します。

無条件で自分になつき愛情をくれ、イタズラで気を紛らせてくれる子犬は、無条件で愛情を与える対象になってくれました。

彼がこれからはさらに、夢や未来のことをどんどん話すようになってくれることを期待して、楽しみにしています。


グリーフ・カウンセリングをしています。 
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