こんにちは!

 

読んだ本や見た映画、聞いた話や体験した事などを中心に「ちょっといい話」書かさせて頂いています。今回は先日、赤裸々に?ご紹介させて頂いた「人生初めての入院中」で見た体験談を元に書かさせて頂こうと思います。最後までお付き合い頂ければ幸いです。

 

私が入院したのは、全国でもそこそこ有名なマンモス総合病院。病棟は上層階に脳神経内科・外科、消化器内科、泌尿器科などの患者が入院している。昼、朝、夜となく「脳神経内科・外科」の患者さんたちは(痴呆症等など)センターのコミュニティーホールみたいなところで皆さんで食事をとる。(一般入院患者は各室にて)毎回威張り倒し看護師泣かせの老人(90代?)が今日も「俺は飯は食わねぇ!」と3人の若い看護師を悩ませる。既に場所や物、人物判別などがほぼ難しくなっている状態なのだろうと見受けた。そこに60代位の「清原和博」似の男性がおそらく、自分の病室から持ってきたであろう。慣れた雰囲気で食事のトレイを持ち、徐に老人と3人の看護師の前に立ち会話を始めた。

 

【看護師】◯◯さん、お願いだからご飯食べて。
【老 人】俺は食わない!バカやろ!
【看護師】食事しないと、お薬も飲めませんよ?

 

『入院中であろう?清原和博似の男性登場』

 

【清 原】親父、遅れて悪い悪い、さぁ家族揃ったから飯にしようぜ(老人の前席に座る)
【老 人】何だお前!どこ行ってたんだ!みんな心配してるじゃないか!(息子だと思ってる?)
【清 原】悪い悪い!仕事で手が離せなかった。親父、とにかく飯にしよう。
【老 人】あまり心配をかけるな!お客さんに悪いだろう!(おそらく、看護師の事)
【清 原】そうだな。とにかく話は後だ。まずは飯だ。(話を合わせいる?)
【老 人】何度も同じこと言わせるんじゃないよ!(と、言いながら、老人はスプーンを取った)

 

当然、しっかりと聞いていたわけではないので、デフォルメはしているが、こんな内容だった事は間違いがない。私が想像したのは元々の性格(寅さん気質?)もあるのだろうが、おそらくこの清原似の男性は両親に対して心残りのことがあったのではないかと勝手に想像した。翌日も同じことが展開されたか否かはわからない。しかし、この時ばかりは、忙しい看護師3人が細やかながら助かったのも事実。もちろん綺麗事では済まない介護の世界、しかしながら率直に感じた事は、これからの「超高齢化社会」自分自身も含めて「認知症、介護」の問題がつきまとうのは避けられない事実。既にご苦労されてるご同輩は勿論「今のところ俺・私は大丈夫」と捉えていても、一寸先は未知ということですね。結果的に「良い格好し」になろうが肝心なのは いつ自分も「老人」の立場に入れ替わるともわからないと言う事なのでしょうね。同時にこれは家族や医療従事者だけが背負うものではなく赤の他人もしっかりとおせっかいをしていく気質が必要なのだろうと今更ながら感じた。つまり「昭和の下町気質」だ。「向こう三軒両隣」「親より怖いが何故か頼り甲斐のある頑固オヤジ」「お節介だけどやたら、おにぎりの美味しい近所のおばちゃん」考えてみれば、我々「鉄腕アトム世代」は親に育てられると同時に「町に育てられた」そんな感情も現社会には確実に必要なのかもしれない。一概には言えないが今の世の中デジタルは欠かせなく便利だが、人の心の安定についてはアナログに勝るモノは無いのかもしれないと感じた。