<なぜ名古屋は栄えていないイメージを持たれているのか?>
まずはこの写真をご覧頂こう。ブログ主(俺)が撮ったものである。これを見た人のほとんどが「わぁ、都会やねぇ!」と感じると思う。蛇足だが俺は副業写真家であるww
実はこの写真、愛知県名古屋市の中心部なのだ。想像以上に都会なので驚いただろうか?
名古屋は日本の三大都市に君臨しているにも関わらず、訪れたことのある人・無い人を含めて「三大都市の割にあまり栄えてないやん」とガッカリされることが多い。
名古屋を訪れて「うわぁ、大都会!華やか!うらやましい!」と言う人は、そんなに多くないと思う。
では、なぜ名古屋は都会と思われていないのか?本当は都会なのか、そうでないのか?等々を検証していきたいと思う。
<新幹線から見える風景の印象が悪い(最大の要因か?)>
新幹線を利用し、名古屋で降り立つ人・名古屋を通過する人。やはり駅が近づくと、その都市がどんな感じなのか多少は気になり、到着の数分前から窓越しに街並みを楽しむものである。すると、やはり東京・大阪と圧倒的な差が生まれていることに気付くはずだ。
「あれぇ、栄えてる部分がごくわずか!!!」
理由は簡単。名古屋駅を起点にして「のぼり方面」も「くだり方面」も名古屋の繁華街を避けたルートになっている事が一番の要因なのだ(上で紹介した画像は、新幹線のルートとまったく無縁の場所である)。
名古屋駅周辺はのっぽなビルがあるが、やはり東京・大阪と比べると何かスカスカな感じに思える。くだり方面に至っては発車して数十秒で田舎の風景に変わってしまう(笑)
なので、名古屋で降りずに通過のために新幹線を利用する人は、名古屋の都会度数評価を低く付けると思う。
<名古屋駅には2つの窓口がある>
更に詳しく述べると、新幹線の停車する名古屋駅は「太閤口」と呼ばれ、JR在来線や名鉄・近鉄の駅がある「桜通口」と異なる位置にある。太閤口は残念なことに開発が後回しになっており、今後も繁栄する気配がない。ビックカメラのビルが多少目をひくくらいで、密集度の高い繁華街にはなっていないのだ。ただ、別に何も無いわけではなく、昭和の雰囲気を残した飲食店や商店、ラーメン屋は数多く存在するので飲み歩きは楽しいと思う。「夜のお店」も数多くはないが、点在する。
一方、桜通口は名鉄百貨店・近鉄百貨店・松坂屋・高島屋・JRゲートタワー・ミッドランドスクウェアなど大型百貨店や複合商業施設が点在している。プラダをはじめとした高級ブランドの専門店もある。周辺を歩けば庶民的な飲み屋からオシャレな飲食店が数多く存在する。また、名古屋駅を中心とした地下街は迷路のような奥深さと賑わいがある。週末の名古屋駅は時間帯問わず人混みがハンパ無く、普通に歩くことは困難である。
<新幹線のルートがこうだったら、もっと都会度数が上がるのに・・・>
話は変わるがもし仮に、新幹線の「のぼり方面」のルートが、現在の名古屋駅から伏見・栄・今池方面(地下鉄の東山線沿い)に走っていれば、新幹線の利用者も「おっ、名古屋って都会っぽいやんか!」となると思うが、残念ながら名駅周辺のみでしか判断ができないので、名古屋は栄えていないと思われているのだと思う。ちなみに冒頭で初回した写真は、副都心の今池付近から栄方面を撮ったものである。
<全国の新幹線の停車駅で比較すれば頑張っている方>
新幹線をよく利用する人は熟知していると思うが、新幹線の駅って、案外何も無いところに作られていることが多いのだ。
その代表が「新神戸」と「新横浜」であろう。日本国民にとって、神戸も横浜も煌びやかな港の繁華街というイメージがあり、訪れたことの無い人は、やはり玄関口である新幹線の停車駅に華やかさを抱いていると思う。しかし新神戸も新横浜も、驚くほど何にも無いことに気付く。神戸や横浜の繁華街は、そこから在来線に乗って行くのだ。
モチロン名古屋も同じである。新幹線を降りて、地下鉄やバスやタクシーで「栄」「矢場町」「大須」などに訪れて都会らしさを感じるのである。通な人は「今池」「金山」などにも足を運ぶ。
なので、新幹線の駅そのものが大きな繁華街になっているとことは少ないのである。「新大阪」でさえ、格段に都会だとは思わない。
それを考慮すると、名古屋駅はかなり頑張っている方だと思う。新神戸や新横浜のように「何も無い」ということはなく、ショッピングやグルメ、宿泊など全て名古屋駅で事足りるのだ。モチロン新宿・渋谷・銀座・道頓堀・梅田などとは比べものにならないが、「新幹線の停車駅」だけに絞れば、かなり成熟度は高いと思う。
あとは、太閤口がもっともっと開発されて賑やかなスポットになってくれればいいなと思う今日この頃である(太閤口は栄えていない割には、むちゃくちゃ人口密度が高く、交差点はいつも混雑している)。
<道が広くて緑が多いので密集度が低く見える>
名古屋市内を走っていて思うのが、車線数が多くて意図的に緑を多くしている街なのだなということに気付く。片側4車線、5車線の区間など複数存在するし、通称100メートル道路と呼ばれる通りが2種類存在する。また、栄のテレビ塔~矢場町の南北の通りは中央に公園を兼ねており、緑豊かで憩いの場にもなっている。
もし名古屋の道路がもっと狭く、緑も少なければ、その分都市の密集度が高くなり、都会度数はアップするだろう。道も緑も「どで~~ん!」と作ってあるので、その分密集度が緩和されて都会っぽくないイメージが持たれるのではないだろうか。
<新幹線を通過するだけの人は栄を知らないので残念>
名古屋=名古屋駅ではない。将来的には分からないほど名古屋駅は開発が進んでいるものの、やはり現地点で名古屋の繁華街と言えば「栄(さかえ)」「矢場町」である。「栄」は名古屋駅から地下鉄で2駅の場所である。ショッピング、グルメ、夜遊びが凝縮されたスポットで、けっこう広い。高級なバー・ラウンジが多い「錦」、風俗やゲイバーも点在する「女子大(中区役所裏側)」、格安の飲食店も多い「プリンセス大通り」「住吉通」など、1日では栄の全貌を知ることは不可能なくらい賑やかな街だ。矢場町は巨大なデパートが建ち並び、栄駅から歩いて行ける距離である。
繰り返すが、東京・大阪の繁華街と比べれば見劣りする。当然である。東京と大阪は、世界レベルの大都会である。東京・大阪に匹敵する大都会は世界中探しても見つからないと思う。近場のアジア圏では香港やシンガポール、台北、上海が大きい都市だが、それでも東京・大阪は別格である。唯一ソウルだけは東京・大阪に匹敵するだろう。
名古屋は、シンガポールやクアラルンプール、バンコクよりは若干都会だと思う。台北や上海の中心部と同格というイメージを持ってもらえば良い。
観光スポットの無い名古屋だが、これからも発展を応援してほしいと願っている。