皆さんお久しぶりです。
崇太郎です。


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大都会東京、その中でも最先端の若者達が集う街、渋谷、その街のとあるカフェの小さな洋式トイレで...事件は...起こった。



「人は第一印象で決まる。」という人もいれば「人は見た目で判断できない。」という人もいる。果たしてどちらが正しいのか?


じいちゃんは俺に良く言った。

「人は見た目じゃ判断できない、ただ、見た目のいい大人の女には気を付けろ、中には驚くほど恐ろしい女がいるからな」っと。


だから、俺はじいちゃんの忠告通りに大人の女には気を付けて生きてきた…はずだった。



その日俺は、相棒、フライングダッチマン(すぐ迷子になる友人)とあてもなくなく街をさ迷っていた、そしてこのカフェに流れついた。


俺達はバナぁ~ナジュースを2つ頼むと、しばらく内容の特にない会話をし、俺は鼻をかみに席をたった。



そう俺は花粉症という病に侵されていたのだ。


俺は垂れてくる鼻水と戦いつつ、斜め上を向きながら、紙を目指してトイレに向かった。



すると、男女兼用のトイレから綺麗な大人の女が出てきた。

おそらく容姿からOLだと推測できる。


OLは俺に妖艶な笑みを浮かべると足早に、その場を立ち去って行った。


だから、その後俺が「Oh!セニョリータッ!」と呟いたのは言うまでもないだろう。


トイレに入ると無我夢中でトイレットペーパーを取ろうとした...


しかし、あったのは、これだけ...最後の一枚しかなかった







「こんなのでおれの病(花粉症)を抑えられると思っているのか?」




病は刻々と俺の体を蝕んでいく。


(きっと今頃あの綺麗なOLは俺への罪悪感に苛まれていることだろう。)





俺はもがき苦しんだ...











そしてこの苛立ちの矛先がエリエールに向かうか向かないか、次の瞬間!!



一筋光明、トイレットペーパーがなんと目の前にあったのだ。





「ここにあったじゃないか、フフッ、灯台下暗しだなっ。」










しかし、俺は鼻をかみながら何かがおかしいと、IQ、500ぐらいはあるだろう頭をフル回転させた。


そして気づいた!


全てが仕組まれていたことに!!


というのは、まず、こんなに分かりやすい場所にあるトイレットペーパーに気付かないわけがない。そして、どうして巧妙最後の一枚だけ残したのか?


それは、最後の一枚を俺に取らせ、新しいのを俺にセットさせるためだ。



なんて恐ろしい女なのだろうか。



見た目には一切出ていない内面、ほんのり温かった便座がひんやりと冷たく感じた...。





OL:オフィスレディー

彼女の戦場はあくまでオフィスであり、この小さな洋室トイレでは戦っていないという、そういう事だろう...。


俺はトイレットペーパーを三角に折るとトイレを後にした。


トイレから出ると先ほどのOLが近くの席に座っていて、俺に再びあの笑みを浮かべた。



ただ、俺だってもうさっきの俺じゃない。




レイモンド・チャンドラーは言った。

「悪いウイスキーというものは存在しない。ただ他のウイスキーよりも味の劣るウイスキーがあるだけだ」




残念だが眼中にないぜ。



















夕暮れが俺のハードボイルドを刺激した。


俺は相棒、フライングダッチマン(すぐ迷子になる友人)と共に、黄昏の町に溶けていった...。