皆さんこんにちは。
しけたガム 後編「ウ○コマン事件」です。
必ず前編 を読んでください。
そして、これから卑猥で下品な表現を多々使うことをお許し下ださい(笑)
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その日もいつもと変わり映えのない一日が来ると思っていた...
まさか、僕があんな汚名を着せられるなんて。
いつもより朝早めに学校に着くと教室にはまだ誰もいなくて、しかたがないからラウンジに行った。
すると、薄暗いラウンジの奥からカチャカチャと音が聞こえた...
そこにはY君が居た。
僕はY君と少し談笑して、授業が始まる5分前まで携帯を弄じり、Y君はガンダムをしていた...というか、Y君は僕と話している間も終始ガンダムをしていた。
最初の授業は現代文だった。
僕は、まだその時は「へぇー、夏目漱石やりおるわぁー」のテンションだった。
それで何気なく時間を見ようと、携帯を出そうとすると、いつも入れているポケットに...
携帯が入っていなかった!
バックやあらゆる場所を探したけどなかった。
「今日はお仕事の大事なおメール」がくるのに....
体中からいやな汗が止まらなかった。
「きっとラウンジだ!」
僕は窓側の一番後ろの席なので比較的目立たずに抜けられる。
真っ青な顔でそっと手を挙げて「トイレ行って来ます。」といい、ダッシュで廊下を駆け抜けた。
さっきまでいたラウンジにはダメな先輩達がたむろしていた。
一応聞いてみたが、ダメな先輩達はどうやらそんな物はみていないらしい。
それから20分、
職員室やいろんな場所ををたらい回しにされ、結局携帯はどこにもなかった。
「もう、いいや。」全てを悟った顔で教室へ戻ると、皆がクスクス笑っている様に見えた。
もう、全てが信じられなくなっていた。
席に着き、何気なく空を見ると、空は澄んだエメラルドブルーだった...。
その後の夏目漱石に関しては何にも入ってこなかった。
---休み時間
休み時間に入りYに事情を説明していると「へぇー、大変だったなぁー」と言いながらYがなんか見覚えのある携帯を弄っていた。
....「お前かいっ!!」
Yが僕の携帯をドッキリでずっと持っていたそうです。そんなドッキリいらんから。
いろいろな気持ちから解放されて涙がでそうになった。すると、別の友達達が...別の友達達ってなんか語呂がよくないし、この物語にさほど重要じゃないので、モブキャラって呼びますね。
で、モブキャラが「凄い時間かかったねウ○コ、もらしてないよね?」って言ってきたんです。僕は何のことか分からないので、「どいうこと?」と聞くとモブは、全てを教えてくれました...。
まず、モブの話によると、僕が真っ青な顔で手を挙げ廊下を駆け抜けた...
あの瞬間から僕は...
ウ○コマんだったのです。
アイツどんだけウ〇コしたかったの?って。
だから、携帯がなくて悟った顔で帰って来たときも、凄くスッキリしてるよアイツの顔。
「ウ○コマン、一仕事終える」だったのです。
皆のクスクスは本当のクスクスだったのです。
「ちょっと待って、短時間で色々な事がありすぎて頭がついていかないんだけど、とりあえず俺は誰?」
「お前はウ○コマンだよ。」
(ウ○コマん、ウ○コマん、ウ○コマん、ウ○コマん....)
僕が何をしたというんだ!!
携帯を探させられたり、無実の罪でウ○コマんに仕立て上げられるなんてあんまりじゃないか!!
それもこれも全部コイツのせいだ、僕はYを怒鳴りました。
すると、ガラガラと隣の教室が開き、中から先生が「うるさいっ!!」と僕を怒鳴りました。
「もう、帰ろう。」
ただ、ここで帰ると「ウ○コマん、一仕事を終えて帰宅」になっちゃうので帰れませんでした。
昼食の時間も「ウ○コマん、第二射チャージ」になっちゃうので食べれませんでした。僕の全ての行動はウ○コマんとしての行動に変換されてしまうのです。
ほとぼりが冷めるまで大人しくしてよ...。
なぜなら僕はウ○コマんなのだから。
誰も信じてはくれない。
それがウ○コマんを背負った者の宿命。
こうして「ウ○コマん事件」は僕の心の中は未解決のまま幕を閉じた。
コイツといても本当にろくなことがない。
僕は味のなくなった、しけたガムをゴミ箱に捨て、顔を洗っていると、うしろからYの声がした。
「そーたろ~、昼飯どーする?」
「Y、お前の事、ブログに書いていいかな?」
すると、Yは黙って頷き、僕の手のひらにおにぎりを乗せた。
空は澄んだエメラルドブルー。
僕はひらたくなったおにぎりを思い切り口に放り込んだ...
具は入っていなかった。