躑躅ヶ崎館再現ジオラマ 完成 |  Kyotoから創造するARTBOX45°

 Kyotoから創造するARTBOX45°

 歴史的建造物の模型・ジオラマなど当時の情景を蘇らせることに日々励んでいます。

宗秀斎です。

 

10月から制作を始めた武田信玄の居館、躑躅ヶ崎館再現ジオラマが完成。

 

実のところ先週で完成していたのですが、一先ずツイッターで完成画像を掲載、改めて詳細をブログでまとめたいと考えておりました。グログの更新頻度が鈍くなっているのも師走の通り仕事やら新年早々、新居へ引越準備などなど…多忙を極め、なかなか記事にする時間がなく…(汗)

 

そんなこんなで、今年も残す所あと僅かとなりました。本当はもう一作品完成させたかったのですが、時間的に厳しいので今年はこの躑躅ヶ崎館ジオラマと年を迎えることになりそうです。

 

 

躑躅ヶ崎館主郭部の建築群の詳細をまとめてみます。

 

 

南側から見た躑躅ヶ崎館。

堀、土塁、土塀に囲まれ、北、西、東に門が配置され、右側(東)に大手門。

 

今回は江戸期に作成された古地図を元に制作を進めています。武田家滅亡後、徳川家康が接収し、改修、拡張され天守まで築かれ、その変遷が見える為に、この古地図が江戸時代に武田家旧臣やその縁者などの口伝なり伝承、また想像などで作成されたと推測され、当時の構成かどうか真意の程定かではありませんが、歴史書籍のCG再現、武田神社の構成図など、これが元となっているようなので進めてみました。

 

さて、諸建築について説明していきましょう。

 

 

主殿前にある大きな庭には築山と呼ばれる鑑賞用として人工的に造られた山。古地図でも築山が記されていますが、信虎、信玄の時代に存在していたか定かではありません。築山は日本庭園にも見られ、その起源は古く平安時代まで遡ります。画像では分かりにくいですが盛ってます(笑)

 

 

楼閣風泉殿?…池に面して楼閣風の建造物が存在していたと考えられていて、室町将軍邸、戦国大名屋敷の庭園に見られた泉殿と呼ばれる催しなどが行われる空間として建てられたと推測。

 

主殿…来訪者と接見する場で本主殿も同じ機能を果たす。

会所…来訪者の接待、催しなどを行う場で、それに用意された膳(食事)を用意するための膳所と呼ばれる建物と繋がっている。

常御座所…玄関から続く母屋で当主の執務室。また家臣と接見する空間や御番所も配された建物でプライベート空間ともとれ、中庭も存在していたとされる。

庫裏…各所に配置された台所。

湯殿…お風呂場

御旗屋…西門に位置する場所にあり、蔀戸と呼ばれる建具が使用され、武田家の御旗を安置する建物とされている。

櫓…見張りや防衛手段として戦国期の城郭によく見られる建物。

蔵…食料、武器などを保管

太郎(義信)御座所…信玄の嫡男、武田義信の屋敷でその敷地内には広間、庫裏が存在していた。

御裏方…当主の奥方屋敷。敷地内には庫裏、膳所が存在し、当主の御座所と廊下で繋がっている。

厩…馬小屋。主殿の裏側、常御座所の玄関先にあり、当主の馬が置かれていたと想定される。

御番所…各所に配置された番人の詰所。現代で言えば警備室のような役割を果たす。

毘沙門堂…北東にあるお堂の建築群の中で一番大きな建物で、側には庫裏、御番所があり会所としての役割を果たしていたと推測されている。

不動堂…不動明王が祭られたお堂で、全体が朱塗りになっている。現在でも朱色に統一された不動堂が存在するので、赤備えに肖って朱色に表現してみました。

飯綱堂…山岳信仰が発祥と考えられる神仏習合の神が祭られたお堂とされる。

 

はたまた恒例のサムライフィギュアを作って情景を生み出します。

 

会所前から池を眺める武田信玄と家臣。

 

馬。来客の馬を管理?それとも常時の馬の散歩?

 

御番所で番人に指示する家臣。

 

隙間を覗き込む、細部にまで見えにくい箇所も造り込んでます。

 

御裏方から望む奥方様。

 

毘沙門堂へ来訪した僧たち

 

主殿、御番所前から望む。

 

 

いかがでしたか?今までのスケールとして大きい作品ともなりました。

来年、躑躅ヶ崎館跡がある甲府市は、信玄の父武田信虎が躑躅ヶ崎に移り丸500年。その記念イベントとして盛り上がりを見せているようで、その信虎像の除幕式も行われたそうです。

たまたま今年最後の作品がそれに重ね合うとは、制作を始めたときは全然知らなくて後から知った時、不思議な縁を感じました。そうした意味でも今回の躑躅ヶ崎館再現ジオラマ制作は大変意義のある作品になったと自負しております。

 

甲府開府500年記念に微力ながら作品を通して応援したいと思っています。

 

まとめ

 

ツイッターでも応援、感想など、展示して欲しいというお声を頂くまでになり、プラモすら組み立てたことのない素人が模型制作を始めて早三年…正直驚いてます。

 

今まで自身の制作スタンスから生み出された作品はこのブログを軸に紹介し、多くの方々に見てもらえたらという、ひょんな思いつきから始まったものですが、来年は自身にとって更に一歩踏み込む活動を展開していきたいと考えております。

 

それでもまだまだ駆け出しモデラーですが…(汗)

 

来年から更に活動を広げて売込みをかけなくっちゃ!というのが2019年の大きな目標です。

 

次回は2018年の作品総括で締めくくらせて頂きたいと思います。

 

今年もあと僅か!悔いのないラストスパートへ!