今年に入り、模型製作依頼の納品や書籍の出版に向けての執筆作業に追われてブログの更新ができませんでしたが、変わらず製作活動を地道に歩んでまいりますので、遅ればせながら今年もよろしくお願いいたします!
昨年、公演の告知ポスターに模型を使用したいとのご依頼があったことを記事にしていましたが、そのポスターが完成し情報解禁しました。
東京池袋の東京芸術劇場プレイハウスにて世界的演出家マルコス・モラウによるマルコス浄瑠璃「金閣寺」が今年の8月から公演予定。
そのティザービジュアルに金閣寺模型を製作させて頂きました。
きっかけは過去に製作していた金閣寺の写真をブログに上げていたのですが、告知ポスターを手掛けたグラフィックデザイナーの方が金閣寺の金彩表現にお気に下さったようで、ポスター用に金閣寺を製作してもらえないか?というご依頼から進めたものです。
今回はその撮影の小道具としてオリジナル金閣寺を製作。
金彩は京都の老舗金箔から取り寄せた純金箔色塗料を使用し、金閣寺全体を金彩して欲しいというご依頼だったので屋根部分まで金彩。これまで経験したことのない模型。当初はお土産屋に売っている金閣寺の飾り物で良かったのでは?とお話したところ、デザイナーの方がいろんな金閣寺の置き物を見て回ったが、金メッキでギラギラしているものが殆どで金箔の質感があるものいいというお話でしたので合点がいきました。このような企画がなければ製作しないものなので、良い経験をさせて頂きました。
完成したティザービジュアル。SNSで告知したところ大変反響があったようで、白洲やロボットの手のようなものまで全てアナログ撮影による大変面白い仕上がりになっています。
三島由紀夫の金閣寺を題材に金閣寺炎上のシーンも見事に表現されています。実際、模型を燃やすのではと思っていましたが…(笑)
炎上シーンはCGでの表現なので、実物と違った印象を受けますが面白いですね。
まさか自分の模型がこんな形になるとは…
これまで模型製作をしている中で、全く想像していないお話が飛び込んでくるので、模型製作に対する視野が広がり、今回も製作意義を感じたお仕事でもありました。
またこのような機会が来ることを願って頑張ろう。
そのメイキング動画もインスタグラムでも公開されています。
今年、都内に掲載されるようなので、ご興味ありましたら公演に足を運んでみて下さい。
話が変わって昨年末から製作を進めていた西本願寺飛雲閣ジオラマが完成しました。
飛雲閣は秀吉が造営した聚楽第、京都新城の遺構(諸説あり)と言われている建物ですが、ちょうど大河ドラマ「豊臣兄弟」が始まり、秀吉にまつわる古建築として今年始めのジオラマ製作としては良いスタートになりました^^
立面図、実測図を参考に進め、素材は角材による木製模型に仕上げていきます。
二層目の板戸に描かれている三十六歌仙の絵図と同じように㎜単位の手描きに挑戦。印刷でも良かったのですが、質感に拘るあまり手描きの方に突っ走る私。最近、老眼が進んでこの作業もいつまで続くかと思いながらも今回も眼球疲労に耐えながら進めました。
一層目、二層目、三層目と上手くバランスが取れなければ理想の形にならないので、立面図と睨めっこしながらの作業が続きます。特に屋根部分には気を使いますし、何せ突き出しの屋根が多くこのバランスを崩さず図面と同じように唐破風屋根の微妙な勾配など多くの点に注意を払いながら形にしていく工程は、これまで培ってきた経験が形に現れるようで常に緊張の連続でもあります。
飛雲閣は何度か製作していますが、構造があまりに複雑で頭がおかしくなるくらい難儀する作業が多いです。ですが、完成した時の喜びははかりし得ないものがあり、またこのフォルムにいつも魅了されるので大変と分かっていても製作したくなる古建築です。製作過程については何度も記事にしていますので割愛いたします。
製作過程や飛雲閣の歴史、考証など過去の記事にて紹介していますので、記事のテーマ欄から飛雲閣へ覗いてみて下さい。前の記事なのでディティール、精度は現在と変わっていますが、基本的な工程は変わっていませんので悪しからず。
一番好きなアングルの撮影で締めくくりです。
ご覧のように真上から見ると瓦屋根とこけら葺き屋根が複雑に入り組んでおり、これまでの増改築の変遷が見えるところも面白いです。
普段、飛雲閣の裏側は実物はおろか写真でも目にする機会のない箇所。ある意味、この模型の肝が裏側かもしれないと思っています。模型の面白いところは普段見られない箇所を再現するという重要な役割を担っているようにも思えます。裏口の内部まで緻密に作り込んでいます。
こちらの赤壁茶室のある東側も普段見られない箇所です。二層目の板戸にも三十六歌仙の絵図が描かれており、ぐるっと一周するように正面、東、南に描かれています。補足ですが、内部の板戸にも描かれています。
最後はお決まりの屋外撮影を以てジオラマ製作は終了です。
いかがでしたか?
今年始めの飛雲閣ジオラマ製作。
これまでの模型製作の中で一番難易度の高い古建築ですが、天守のような臨場感ある姿にいつも魅了されるのはそうした優美な形と歴史的にもミステリアスな部分が秘めているところに惹かれるのではないかと製作しながら思います。
今年は書籍出版に向けての執筆、製作依頼に追われる年になりそうですが体力をつけて皆様に楽しんで頂けるような年にしたいと思っています。




























