花輪和一 「刑務所の中」 | そーしの日記

花輪和一 「刑務所の中」

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古い作品ですが、花輪和一「刑務所の中」。
1994年に本物の拳銃コルト・ガバメントを所持していた罪で3年の懲役刑に処せられた作者の獄中記。
漫画家として活躍していたが大のモデルガン好き。モデルガンと一緒にボロボロの本物ガバメントを手に入れ、錆を磨いたり穴を埋めたりしてせっせと直していたら捕まってしまったという。


花輪和一の絵は、往年の絵物語の伝統を引いて細密で本当に美しい。その絵で、何ともいう事もない刑務所生活の日常が描かれていて、実に興味深いです。

刑務所内の工場で作業を真面目にやって、等級が上がった受刑者には、ご褒美に映画鑑賞があったそうで。所内の食事は良いものの、甘いものに飢えた受刑者には、コーラやアルフォートがオヤツとして出る鑑賞会は羨望の的なんだそうです。

そういう話が面白くてたまらない作品です。


2000年7月に出版されたのですが、俺が持っているのは2001年4月の第14刷!売れたんですね。


花輪和一自身や他の受刑者が罪に対して懺悔するでもなく、刑務官への恨みつらみが描かれるわけでもなく、ただ毎日の出来事が穏やかに日記のように描かれていて、不思議な読後感があります。

まあ、花輪和一の漫画自体がまことに不思議な雰囲気をもった作品ですけれど。


面白いこと、請け合いです。機会があったら、ぜひ読んでみてください。