母メリー・キヨシ・キヨオカの回想です。
メリー氏は
土佐の士族の長女に生まれました。
明治期の動乱期、
メリー氏の父は
メリー氏のような大胆な女は
外国に行くのがいい、と
カナダ移民だったキヨオカ氏との見合いを持ち込み
結婚させます。
こうしてカナダに旅立つのですが
「その日暮らしをしているなんて
とても父に言えたものじゃなかった」(帯より)
という現実が待っていたのです。
低賃金、重労働、
第二次大戦開戦後の差別
苦労しました。
7人の子どものうち2人は
日本にいる親族に預けていたほどです。
ただ思う。
それでも日本に残っていたよりはましだった。
第二次世界大戦開始後、
日本は全国的に空襲され、
焦土と化し、餓死者も多数でる悲惨な状況でした。
メリーさんは波瀾の人生を送りましたが、
空襲の被害に遭っていないし
餓死を覚悟するほどの状態ではありませんでした。
お父様の判断は正しかったかと。
著者ロイ氏はメリー氏の息子です。
1994年急死。(1926年生まれです)。
娘さんたちがロイ氏が編集中だったメリー氏の回想録をまとめました。
メリー氏は
100歳の誕生日を祝った後1996年他界しています。
苦労したメリー氏の方が息子より長生きしたのは
不思議な気がします。