著者の三好照恵さんは、三人のお子さんのうち一番上の男の子が発達障害児です。

自身の姉が自閉症だったその経験を生かして、長男ももちろんその他のお子さんも育ててきました。

長男には「将来働いて、お給料で自分の好きなものを買いたい」という目標があり、そのため出版当時支援学校でがんばっていました。

(本書は2013年刊行)

著者は香川県で、知的障害者通所更生施設を1998年開所し、最近新たに古民家の作業所を開設しました。

発達障害に限らず、「障害児」というと、やはり「支援しなくては」という発想になってしまいがちです。もちろん支援が悪いのではないのですが、支援の仕方も間違えると、彼らの将来のためによくありません。そうした子供たちをいずれは自立させる育て方も必要です。いつまでも、かれらの親がいるわけではないのです。

「かかわる力から生活する力へ」

本書の副題です。

読めば発達障害児を、というのではなく、子供を育てること自体非常に大変なことだとわかります。

三好さんの素晴らしい活動が今度も続くことを願ってやみません。