こんにちは! 鳥爺です。

今日は、私から皆様にもう少し詳しくお伝えしたいことがあります。
いつもより長い文章ですが、よろしかったらお付き合いくださいませ。

TSUBASAが8月30日付けで「NPO法人」に
なりましたことは、先日お伝えした通りです。

今から12年前の2000年3月に「TSUBASA」は「人、鳥、
社会の幸せのために」を理念に、(株)ロムテックの部門として
誕生しました。

一般の企業の中で、飼い鳥の保護活動、つまり企業的に言うと
非営利事業を運営することは、とてもやりづらい面がありました。

というのは、営利事業(ロムテックの半導体業務)で得た利益を、
利益を生み出さない保護活動を行っているTSUBASA部門につぎ込む
のは脱税行為であり、社長(私です)の「道楽」だと言われ続けて
きたからです。

企業の目的は「利益を追求する」ということが教科書的に書かれて
いますが、私の考えは違います。
企業の目的は

「社会貢献」

だと思っています。

飼い鳥の保護活動は、重要な社会貢献だと考えているのは私だけで
しょうか?

しかし、残念ながらこの思いは10年間言い続けましたが、関係者
には届きませんでした。

そんなとき財団法人、社団法人の法律の改正が行われました。
両法人の公益法人化への道が広がってきたのです。
実はNPO法人も考えていましたが、色々な方に相談をしましたら
「TSUBASAは社団法人が一番相応しい」
という意見が多かったという理由で、社団法人TSUBASAを設立し
た次第です。
そして、昨年4月に(株)ロムテックからのCAP!と一緒に独立を
果たしました。

しかし、社団法人にしたために、予想もしない問題が起きてしま
いました。

社団法人TSUBASAは営利部門であるCAP!と、非営利部門である
TSUBASAで構成されます。
つまりCAP!の利益でTSUBASAを運営するということです。
ただし、社団法人なので非営利活動は堂々と運営できました。
ところがCAP!の利益を生み出す事業の柱である通販の「楽天」が
社団法人「NG」という判断を下したのです。

今ごろになって何故? 

という思いがありましたが、楽天内部でも社団法人「NG」という
のは知らなかったようでした。

とはいっても、すぐに対策をしないと業務がいつまでも滞ってし
まいます。
そこで今度は、楽天の信頼出来る部門と協議をしながら、(株)
ドリームバードを設立した次第でした。

ドリームバードを設立したからもう大丈夫、、、という訳では
ありません。
結局のところロムテックと同じで、利益を追求する株式会社では
保護活動がやりづらいのです。

そんなことをずっと考えているときに、会員のSさんから朗報が
入りました。

「認定NPO法人のハードルが下がった」と。

当時NPO法人は約4万法人あると言われていました。
その中で税制の優遇を受けられる認定NPO法人は200法人も
ありませんでした。
わずか0.5%しか認定法人がありません。
この難しいと言われた認定NPO法人が、震災の影響でとりやすく
なったのです(ハードルが下がりました)。
(とはいっても条件は厳しいですが、、、、)

ほとんどのNPO法人は非営利活動です。
活動するためには資金が必要になります。
私たちTSUBASAも、鳥のお世話をするために膨大な費用がかか
ります。

「NPO法人だから職員は無給でしょ!?」
「好きな鳥の仕事だから給料は安くてもいいのでしょ!?」
と言われることがあります。

私はこう思っています。
尊い命を責任を持って守るためには、専門の知識ややる気、体力
そして強い想いがなければできません。
また、安い給料だとしても、将来がある若者の未来を支えていく
ことはできません。
後に続く人材も育てなければなりません。
そのためには組織を活性化するパワーと、職員が安心して従事で
きるエネルギーが必要です。
保護した鳥たちに、適正な食餌や医療や環境などを提供しなけれ
ばなりません。
活動資金は絶対に必要なのです。

今はCAP!の売上の利益に頼ったり、とり村での店頭販売や通販など、
そして皆様からの会費や募金などで充当しています。
(正直なところ大幅に不足していますが、、、)

話が飛んでしまいましたが、実は認定NPO法人をとることで、
TSUBASAの運営がスムーズに行くと予想しています。
ただ、その認定NPO法人をとるためには、いくつかの要件があり
ました。
その中でTSUBASAにとって要件に合致していないことがあります。
それが
「NPO法人になって1年以上」
という要件です。

まずは、これから1年(正確には1年と1日以上=決算が2期以上)に
なったところで、認定NPO法人の申請をしたいと思います。
TSUBASAは決算が12月31日ですので、申請ができるのは、
2014年の1月1日以降になります。

ずいぶん話が長くなってきました。
もう少しお付き合いいただけますか。
NPO法人になりましたらどうなるのかをお伝えします。

まず、NPO法人TSUBASAの本格的な活動は

2012年9月21日

からです。

NPO法人TSUBASAの場所はとり村の2階、そして検疫室、診療所です。
とり村の1階はドリームバードになります。
トイレや事務所などは一緒に使います。
TSUBASAの職員は、TSUBASAのロゴマークが付いている白のポロシャツ
を着ています。
寒くなるとTSUBASAのロゴマークが付いた青のジャンパーを着ます。

それに対しドリームバードの職員は、青のポロシャツです。

なぜこのような職員の区分や場所を分けたかといいますと、
とても難しいといわれる認定NPO法人をとるためです。
ひとつの建物に2つの組織が同居する。しかも片方は営利事業、
もう片方は非営利事業です。
誰が見ても、違う業務をしている組織にしなければなりません。
誤解を受けないために、しっかり区別することにしました。

とはいっても、営利事業であるドリームバードが、NPO法人を支援
する立場であることに変わりはありません。
端から見て違う組織に見えても、強固な協力関係で繋がっています。

最後に私(松本)のことですが、外部から誤解を受けないためにも、
NPO法人TSUBASAの代表理事は私ではありません。

現在、私以上にパワフルに、そしてクリエイティブにTSUBASAの
活動を推進してきました柴田が代表理事を務めます。
これで私の立場も明確になりましたので、ロムテック、ドリームバード
としてTSUBASAを支援していきたいと思います。

ロムテックの部門としてのTSUBASAから、
社団法人としてのTSUBASA,
そして今度はNPO法人としてのTSUBASAですが、
設立当初からの理念や想いは変わりません。

NPO法人になったことで、少しですが行政に対し意見が言える立場に
なりました。
また、行政と一緒に活動することも可能になるでしょう。

これからもどうぞTSUBASAへのご理解、ご協力、ご支援のほど
よろしくお願い申し上げます。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

松本壯志