私立恵比寿中学の松野莉奈さんが急逝されてから一週間が経ちました。
 
色々な人たちが追悼の言葉を送る中、私は一介の元アイドルファンとして
彼女の死を悼み、またファン心理を考えると胸が痛くなる思いでした。
 
そんな中私は去年出会い、今現在それこそアイドリング!!!と同じぐらい大切な存在の
3人のシンガーソングライター、橋本サキさん、さくらかおりさん、小野亜里沙さんがライブに出るということで、私は彼女たちに会いに行きました。
 
そして、そこで起きたこと思ったことを記録に残すべくこの記事を書きます。
いつかこの気持ちを忘れてしまう、そのときに読み返して思い出すために・・・
 
 
まずは9日。橋本サキさんが急遽ライブに出るということを聞いて、いてもたってもいられなくなって私は高田馬場へ向かいました。
 
急遽出演が決まった(本人曰く2日前に出演が決まったそうです)中、やってきた私を彼女は歓迎してくれました。
 
私はその時思っていたことを話しました。
 
あの出来事の翌日です、なかなかテンションがあがらずだいぶ気分は沈んでました。
 
彼女の目にも私は明らかに元気なさげに映ったようで、元気になってほしいという思いをこめて歌ってくれました。
 
彼女の歌、ハミングバードを聴きながら私は泣きました・・・彼女がいつものようにステージに立って、いつものように歌っている姿を見るのがとてもうれしかったから。
 
終演後、だいぶ元気を取り戻した私に彼女は喜んでくれました。
 
彼女の出演する次回のライブも、同じハコで私が休みの日にあるので予約をしてご挨拶してお別れ。
 
小雪ちらつく酷寒の高田馬場を、少し心が温かくなった私は来る前よりも少し足取りが軽やかに横浜へと帰りました。
 
 
 
次は12日。この日は「あえか×さくらかおりバレンタイン2マンライブ」でした・・・しかし、この日は残業確定。
 
18時半の開演時刻には絶対に間に合わないことがわかっていたのですがそれでも行きたいから「遅刻してでも必ず行きます!」とかおりさんに伝えて予約しました。
 
ライブの内容としては最初にセッションをやってからそれぞれが2ステージずつ歌って最後にまたセッションを行うというもの。先攻がかおりさん、後攻があえかさん。
 
で、私はあえかさんがお初だったのでできれば2ステージみたいなぁ・・・と思いつつ難しいんだろうなぁ・・・ということで、現実的な目標はかおりさんのステージが始まる20時10分。
 
もし、もっと早く開放されるのなら・・・と、あえかさんの1ステージ目が始まる19時25分を高いほうの目標に設定しました。
 
 
運よく残業が早く終わり、急ぎ着替えて電車に飛び乗り恵比寿へ。
 
ナビタイムで調べた乗換えより京浜東北線も湘南新宿ラインも一本早い電車に乗ることができたので、時間を大幅に短縮することに成功。
 
恵比寿駅の改札過ぎてから猛ダッシュ敢行した結果、19時25分ちょうどに恵比寿天窓.switchに到着。
 
高いほうの目標クリアで、あえかさんが2ステージ、さくらかおりさんが1ステージ見ることができました。
 
初めて見たあえかさん。ゆったりふんわりして、やさしい音楽、やさしい時間。
 
 
そして、かおりさんの番。
 
一曲目・・・聴いたことのないイントロ、聴いたことのない曲。
 
「永遠の砂」というその曲は砂時計の砂のように、今というときはこの瞬間しかない・・・そんな曲でした。
 
この日の天窓switchは超満員・・・遅刻の私は椅子が無かったのですが結果立ち最前状態になったことで、いわゆる「沸き曲」の「恋学式」では久しぶりにスイッチが入ってリンガーだった当時を思い出して、外し過ぎない程度にはしゃいでしまいました(笑)
 
そして・・・最後は彼女の代表曲のひとつである「さくら号線」
 
春、桜の季節になると死別してしまった恋人との思い出がよみがえる・・・そんな悲しい曲。
 
 
 
「外套と赤い靴」を弾き語りで歌うときもそうなのですが、彼女はピアノを弾きながらも時折動きを織り交ぜるのです。
 
たとえばこのさくら号線ならば、最後に手のひらに舞い降りた桜の花びらを息を吹きかけて散らす・・・さすがシマティックライブをやっているだけあって、その辺りの表現力はさすがだなぁ、と見惚れてました。
 
 
と、ここまでならば普通のライブの感想文。話はここからです。
 
いつものようにアンケートを書き書き。彼女の物販列に並びます。
 
そして私の番に。いつものように書いたアンケートをアンケート入れに入れると彼女は私の手をぎゅっと握ると、思っていたことを私に伝え始めました。
 
(以下、彼女の言葉)
 
あのニュースを見たときに、一番最初にみゆきさんの顔が思い浮かびました。優しいみゆきさんのこと、きっと胸を痛めているに違いないと。
 
みゆきさんがひょっとしたら、もう来なくなってしまうのかもしれない。そんなことが思い浮かぶんです。
 
でも、私ができるのは歌うことだけだから、歌で想いを伝えたかったんです。
 
今日遅刻されるということだったので、どうしても聴いてほしかったメッセージのこもった歌を後半に持ってきたんです。「永遠の砂」と「さくら号線」。今を大切にしようっていう歌です。
 
みゆきさんも、今日が最後になっても後悔しないようにっておっしゃってますよね?
(これは2日前にブログに書いた「今日が最後になってもいいように、現場にはちゃんとした格好をして出かける」ということを指してます)
 
(以上、一部うろ覚え)
私の記憶はここまでしかありません。
 
泣いてしまったから。
 
彼女がぎゅっと手を握って語り始めたところから、グッときてしまって・・・
 
そう、彼女の優しさと力強さが手を通して伝わってくるようで、そのまま心まで何か優しくつつんでくれたような・・・その優しさに思わず泣いてしまいました。
 
彼女は前回のリビドアで私がさくら号線が収録されたアルバム「サクラユメ」を買って帰ったことを覚えていて、だからこの歌を入れたらメッセージが伝わる・・・そう思ってセットリストに入れたんだと思います。
 
 
その後、彼女との再会を約束する意味で24日のリビドアのチケットを買ってお別れしました。
 
 
あ、そういえばひとつ彼女の質問に答え忘れてたので、この場を借りて回答しようと思います。
 
さくらかおりさん。
 
立ち最前でもそうでなくても、恋学式ではリンガーだった昔を思い出して思いっきり盛りあげていきますから!!!
 
 
 
さて、その2日後の14日。リビドアバレンタインスペシャル。
 
小野亜里沙さん(あっちゃん)がトリです。
 
リビドアは本当に毎回毎回楽しい。
 
いろんな音楽が聴けて、いろんな表現があって、ピンと来る歌い手さんがいて・・・
 
あと、伊秩さんのトークが若いころの失敗談の笑い話から、ならではの音楽業界の裏話までとても興味深くて面白いんで、ぜひともリビドアに来られる際には伊秩さんの曲の合間のトークも聴いていただきたいです。
 
 
トリのあっちゃんの出番。
 
何か彼女の話していることが、妙にリンクしてました。
 
たとえば「ピンク」という曲は「好きなものは好きだって言っていたい」という彼女の想いが詰まっているのですが、
「好きなものは好きと言える気持ち抱きしめていたい」という槇原敬之さんの「どんなときも。」の歌詞を引っ張ってきて「好きなものは好きだって言わなきゃ!」という気持ちをブログを書きました。
 
そして、アンコールでは彼女が即興で一曲作って披露したのですが、その歌では「今日こうして歌えているのは当たり前じゃない」という想いが込められていました。
 
・・・この記事の根底にある話です。
 
いつも楽しげに笑顔でピアノを弾きながら躍動するあっちゃん。
 
以前このブログで紹介したように、彼女は色々な過去を経て今の姿があります。
 
彼女にとっては「当たり前なことは、当たり前じゃない」という言葉は、間違いなく私よりも重く深く実感しているのだと思います。
 
 
そんなあっちゃんは、物販でお別れの挨拶するときに
ちゃお(イタリア語のciao)
という言葉を好んで使います。
 
 
 
 
これは「さようなら」じゃなくて「また会いましょう」という想いを込めて使っている・・・本人がそういってました。
 
そして、私はこの挨拶が大好きです。とっても前向きでとってもさわやか。粋なんです。
 
昨日も、最後に「ちゃお」と挨拶してお別れしてきました。
 
「今日が最後になっても後悔しないようにしているけど、やっぱりまた会いたいね!」
 
そう、素直に口にしてお別れしました。
 
 
 
この一週間、彼女たちにすごい助けられました。
 
当たり前だと思っていたことは、その実当たり前ではなかった・・・りななんの死はそれを残酷なまでに証明してしまいました。
 
それでも、当たり前のように電車に飛び乗ってライブハウスに出向き、ステージに立って歌う彼女たちに酔いしれて楽しくお話して笑顔でお別れする・・・それを当たり前に思える。
 
いま私のいる環境は、とっても幸せでとってもうれしいことなんだと改めて実感させられました。
 
 
では、そんな彼女たちに対して私はどうしたらよいのだろうか?
 
彼女たちはギターを弾きピアノを弾き、歌で自分の思いを表現します。
 
それに対抗しうるもの・・・唯一持ち合わせた力といえば、文芸サークル上がりの文章力しかありません。
 
私はスマートフォンで、時にキーボードとマウスで、私は私の思いを表現します。
 
 
自分の想いという材料をまな板に載せ、伝えたい気持ちを削らず、余計なものを付け加えず、それでも伝えたい人にしっかりと想いが伝わるように仕上げる・・・それが私のできることです。
 
それで、少しでも心が温まる、励みになる、うれしく思う、そういう人がいてくれる・・・それが「縁」というものだと思います。
 
あっちゃんにも言ったけど・・・
 
今日が最後でも後悔しないようにはやっているつもりでも、やっぱりまた会いたいんです!
 
 
 
恥ずかしい話、しちゃいましたね・・・
 
自分の思いをこれだけさらけ出したら、他人から見たら恥ずかしいヤツなんでしょうね。
 
でも、いいですよそれで。
 
だって・・・
 
本当にそう思っているんだもの。