2010年の振返りと2011年の抱負 | アジアNo1を目指すベンチャーキャピタリストのアメブロ

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サイバーエージェント・ベンチャーズ代表のブログです。ネットビジネスに特化したアジアNO1のベンチャーキャピタルを目指して、世界を変えるネットビジネスを日々考え、日々探しています。皆さまよろしくお願いいたします。

2010年も残すところあと僅かとなりましたが、今年はサイバーエージェント・ベンチャーズにとって色々と動きがありましたので、2010年の振り返りと2011年の抱負をしっかり記載しておこうと思います。


■日本

IPO環境に関しては、2009年のIPO社数19社に続き、2010年は22社と引続き厳しい状況が続いているものの、ソーシャルゲーム、グルーポンビジネスなどの躍進や、資金調達・エグジット両サイドにおいてファイナンスが活発化してきているなど、ベンチャーマーケットは明らかに勢いづいてきていると肌感覚で感じられた1年でした。そのような環境下、弊社は2010年を投資のチャンスと捉え、スタートアップ企業を中心に積極的に投資を実施してきたと同時に、体制面においても、サイバーエージェントのメディア部門を率いてきた大下を国内担当役員としてアサインし、更なる体制の強化を図りました。


また、有望な企業を探して出資するという従来の投資スタイルに加えて、有望な事業を考え、仲間を探して共に事業を創る、という共同創業投資も開始しました。その一環として、日本発世界を目指すベンチャーを創る起業支援プログラム「Startups」 を本格始動させ、2010年度は2社の会社設立を含む5社の支援企業を決定 しました。


「Startups2010」キックオフイベント in青山ダイヤモンドホール

エンジニアを中心に総勢約450名にご参加いただきました

渋谷で働く浪速のベンチャーキャピタリストのアメブロ


合わせて、規模こそまだまだ小さいですが、インキュベーションオフィスを準備しました。
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インキュベーションオフィスには、「Startups」支援企業を中心に入居してもらう予定ですが、来年以降はこのインキュベーションオフィスに我々も半常駐し、日本発世界を目指すグローバルベンチャーを創るべく、事業立ち上げ・企業価値向上に本気でコミットしていきます。


■中国

中国はマーケット全体が急拡大している中で、有望な事業ドメインのトッププレイヤーに的を絞り、ネット先進国のネットビジネスの変遷を再現させる投資戦略にて、2006年より積極的に投資を行ってきましたが、投資先の大半が先行投資フェーズから収益フェーズに突入し、また中国メンバーの日々のインキュベーションが着実に目に見える成果となって現れた、非常に実りの多い1年になりました。


また、投資先企業の経営者が一同に会し、事業の近況アップデート、経営課題(人材採用、人材教育、新規事業など)について情報交換しあう本年で2回目となる弊社主催の投資先交流会では、投資先企業間で多数の事業アライアンスも生まれてきています。


第二回投資先交流会の参加者にてパチリ
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投資先交流会の打ち上げ

サイバーエージェント副社長の日高と中国、ベトナムメンバーにて
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体制面に関しても、年初の3名、北京・上海の2拠点体制から、現時点で9名、北京、上海、深センの3拠点体制と、大幅に充実させることが出来ました(中国のメンバー紹介はこちら ) 。

また、中国現地法人の設立を決定し、弊社海外担当役員である北川が中国現地法人の代表となる役員人事を発表したと同時に、2011年度で運用総額100億円を目指す旨のプレスリリース を発表しました。


■ベトナム

ベトナムは、人口規模こそ約8,700万人と中国やインドなどと比べればそれほど大きくはないですが、平均年齢が20代と若く、高いGDP成長率や識字率を維持しています。また、日本が高度経済成長期をむかえた1960年代の日本と人口構成が酷似しており、労働者人口が今後大幅に増加することから、中長期での大きな経済成長が見込める国として、早期に市場参入し、投資を積極的に行ってきました。


今年は、ベトナム支社長であるズンの頑張りが非常に大きく、モバイルコンテンツ・オンラインゲームなど有望事業ドメインでのトッププレイヤー、及び有望なスタートアップ企業に対してバランスよく投資することができました。


体制面についても、サイバーエージェントで新規事業立上げ・事業拡大において大活躍していたエース中山をベトナム駐在員として新たにアサインしたことで更に充実させることができたと同時に、今まで投資先企業に間借りさせてもらっていたオフィスを独立させ、ホーチミン事務所を開設しました。


2階が弊社ホーチミンオフィス
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左がズン、右が中山
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2010年度は、2011年以降積極的に攻めていくための体制を全拠点ともにしっかり整えることが出来た実りのある年になりました。あとは、我々の強みであるインキュベーションに集中し、グループ会社や海外拠点との連携を密接に行いながら、とにかく目に見える圧倒的な成果を出していきます。また、アジアNO1のコーポレートベンチャーキャピタルを目指して、ファンド規模の更なる拡大、及び中国・ベトナム以外のアジアに関しても積極的に進出を検討していきます。


2010年は色々とお世話になり本当にありがとうございました。2011年もメンバー全員で精一杯頑張りますので、皆さま引き続きよろしくお願いいたします。


2010年12月30日 田島 聡一