あぶないあぶない | アジアNo1を目指すベンチャーキャピタリストのアメブロ

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先日実施した弊社の幹部が参加する戦略会議にて、担当役員より「最も成果が出るところに時間を使えていない!」という強いご指摘をいただきました。


その際、P・F.ドラッガー著の「経営者の条件」 を読むようにアドバイスをいただいたのですが、私自身、「経営者の条件」は何度か読んでいた本でもあり、頭の中で内容は理解していたつもりでした。が、改めて序章から読み解いていくと、改めて自分自身が頭で分かったつもりになっているだけで全くこれらを実行できていないことを痛感しました。


つまり、どんな努力や高い意識を持って業務に取り組んでいるにせよ、結果として「組織をうまくオペレーションしようとしているだけで、成果が出る部分をしっかりフォーカスし、そこに時間と経営資源を集中的に投下できていなかった」ということです。


「経営者の条件」の序章で、経営幹部が成果を出せない要素として4つの要因が記載されています。


1、経営幹部の時間は、全て他人の自由にされてしまう時間である。


2、経営幹部は、自分が生き、仕事をしている現実の状況を変えるために、断固積極的な行動をとらない限り、日常業務に追われる運命にある。


3、経営幹部が成果を上げる上で障害となる第三の現実は、彼が組織の中で働いているという事実にある。すなわち、経営幹部なる者は、ほかの人間が彼の貢献を利用してくれるときにのみ、成果を上げるということである。


4、経営幹部は、組織の内部にいるという現実がある。よってあらゆる経営幹部は、自らの属する組織の内部を、最も身近で直接的な現実として見る。たとえ組織の外部を見たとしても、厚くゆがんだレンズを通して見る。外の世界で何が起こっているかは、直接的には知りえない。しかも外の世界の現実は、組織内部の基準によって咀嚼され、報告書という高度に抽象化されたフィルターを通して受け取られる。


これらの結果、数字のチェックや社内のさまざまな仕事に対応することに忙しくなり、「我々の市場は何か」「成果を出すためにどこに時間と経営資源を投下すべきか」という経営幹部としてもっとも重要な基本的な問い掛けを忘れ、見えなくなってしまう。そして、知らず知らずのうちに成果に繋がらない仕事に時間と経営資源を投下し、成果に直結する仕事に対して時間を掛けていない、という経営として危機的な状況に陥る。その結果、ついには企業の衰退を招きかねない市場の重要な変化を見逃してしまう経営幹部が多い、と書かれています。


外部から見れば見えることが、内部から見ると全く見えなくなってしまうことは自身の経験や投資先の経営などを見ていても本当によくあることですが、ここは強い意識としっかりとした処方箋を持って対応しないと、我々自身がまさに上記の通りになってしまうことを今回改めて痛感しました。


このシルバーウィークは改めて「成果とは何か?」「成果を出すためにどこに時間と経営資源を投下すべきか?」について再度自問自答しじっくり考えるとともに、時間の使い方と同じ過ちを繰り返さない処方箋を考え、休暇明けすぐに実行にうつせるようにしたいと思います。


いやー、本当にあぶない、あぶない。