発心(ほっしん)「発心」を辞典で引くと、まず「思いたつこと」とあり、次に「出家して仏門に入る」、さらに「菩提心を起こすこと」とあります。 このなかで最後の定義が、この言葉の本来の意味であることは言うまでもありません。菩提とはサンスクリット語のbodhi(ボーディ)の音写で、「悟り」を意味します。よって「菩提心を起こすこと」とは、「悟りを求める心を起こすこと」なのです。大乗仏教では仏の完全な悟りを求めて修行するものを菩薩といいますが、発心すること—つまり悟りを求める心を起こすこと—こそ、菩薩の修行の第一歩と位置付けられているのです。