12年前、12月23日
あの時 あの日あの場所で
殺しておけばよかっただろうが
何を思ってそうしたか
俺は一つの“賭け”をした
『1年間の有用をやろう。もしその間に俺を殺せたら…お前の勝ちだ。』
そいつは呆然とした顔で
ただ俺の顔を見るしかなかった。
まそれはだ7歳ぐらいの餓鬼だった-
-cross_fate-
12年後 12月23日
世間は何かと騒がしかった。
外を見れば、イルミネーションの光がそこかしこから見えた。
(そうか、明日はX'masか。)
煙草を吹かしながら、外の景色を横目で眺めた。
-馬鹿ばっかりだ
昔から、人となれ合うのは好きじゃなかった。
学生時代の友達なんて、居なかったも同然だし、上履きがゴミ箱に捨てられてても
普通の顔して、履いてった。
-馬鹿みてぇだ
煙草をグシャリと灰皿に押し付け、光輝く街中へと繰り出した。
___________
外がヤケに騒がしい。
あぁそうか、明日はX'masか。
じゃあ今日か…もう今日が…。
外を眺めながら、そっと金属に触れた。冷たい感触。無機質な鉄の塊でしかないコレで
人が殺せるなんて、不思議なもんだ。
いや、案外、人が脆いのかもな-…
血生臭い記憶。
今でも覚えてる、噎せかえるほどの、血の臭いと
脳裏に焼き付いて離れない、親の死に顔を-
「今日で終わらせて、オレが勝つ…!」
_______
すれ違う人々はどいつも腑抜けたような笑顔をしてやがる。
(X'masの何が楽しくて、浮かれているのだろうか…)
ふと顔を上げると、1人の男がこっちを見ているのに気づいた。
いや、俺の後ろに誰か居るのだろう。そう思って振り返ってみると、行き交う人々だけで、誰もいなかった。
やはり、俺…なのか?
その男には、どことなく見覚えがある気がした…しかし、思い出せない。アイツは誰だ?-
_______
(やっと見つけた)
ソイツを見つけたのは、歩いて数時間の頃だった。
ソイツはオレに気づいたらしい
じっとオレを見たまま、ソイツは動こうとはしなかった。
オレはソイツに向かって言った
『“賭け”は、どうやらオレの勝ちのようだ』
冷たい、無機質な金属の銃口を、ソイツに向け、放った-
__________
俺の目の前にいる男は
何か言った後に、俺に何かを向けてきた。…銃だ。
まさか…っ?!
パァン!
それまでの賑やかな声が一瞬にして、悲鳴に変わった。
「…いっ…生きてる。」
何が起きたのか、理解するのにはそう時間がかからなかった。
目の前に、先程とはまた別の男が立っていた。
そう“第3者”の存在が-
_______
「カッ…ガハッ!」
一体何が起きたんだ?
オレは確かに…ソイツを…撃ったはずなのに…なんで…?
霞む視界で何とか現状を確認しようとした。
…そんな…まさか…!
『どうやら、おれの勝ちのようだ』
第3者はニッコリと微笑んだ。
「実に残念だったなぁ…。正念場でのgameoverってのは悲しいよなぁ?ねぇ。」
『静かにオヤスミよ』
ガウン!…
『gameover…』
X'masのメロディーが
あたり一帯に鳴り響いた-…
運命は深く絡みつき
そして時には 残酷な命を辿らせる-…
『さぁ、“賭け”をしよう-』
end
あの時 あの日あの場所で
殺しておけばよかっただろうが
何を思ってそうしたか
俺は一つの“賭け”をした
『1年間の有用をやろう。もしその間に俺を殺せたら…お前の勝ちだ。』
そいつは呆然とした顔で
ただ俺の顔を見るしかなかった。
まそれはだ7歳ぐらいの餓鬼だった-
-cross_fate-
12年後 12月23日
世間は何かと騒がしかった。
外を見れば、イルミネーションの光がそこかしこから見えた。
(そうか、明日はX'masか。)
煙草を吹かしながら、外の景色を横目で眺めた。
-馬鹿ばっかりだ
昔から、人となれ合うのは好きじゃなかった。
学生時代の友達なんて、居なかったも同然だし、上履きがゴミ箱に捨てられてても
普通の顔して、履いてった。
-馬鹿みてぇだ
煙草をグシャリと灰皿に押し付け、光輝く街中へと繰り出した。
___________
外がヤケに騒がしい。
あぁそうか、明日はX'masか。
じゃあ今日か…もう今日が…。
外を眺めながら、そっと金属に触れた。冷たい感触。無機質な鉄の塊でしかないコレで
人が殺せるなんて、不思議なもんだ。
いや、案外、人が脆いのかもな-…
血生臭い記憶。
今でも覚えてる、噎せかえるほどの、血の臭いと
脳裏に焼き付いて離れない、親の死に顔を-
「今日で終わらせて、オレが勝つ…!」
_______
すれ違う人々はどいつも腑抜けたような笑顔をしてやがる。
(X'masの何が楽しくて、浮かれているのだろうか…)
ふと顔を上げると、1人の男がこっちを見ているのに気づいた。
いや、俺の後ろに誰か居るのだろう。そう思って振り返ってみると、行き交う人々だけで、誰もいなかった。
やはり、俺…なのか?
その男には、どことなく見覚えがある気がした…しかし、思い出せない。アイツは誰だ?-
_______
(やっと見つけた)
ソイツを見つけたのは、歩いて数時間の頃だった。
ソイツはオレに気づいたらしい
じっとオレを見たまま、ソイツは動こうとはしなかった。
オレはソイツに向かって言った
『“賭け”は、どうやらオレの勝ちのようだ』
冷たい、無機質な金属の銃口を、ソイツに向け、放った-
__________
俺の目の前にいる男は
何か言った後に、俺に何かを向けてきた。…銃だ。
まさか…っ?!
パァン!
それまでの賑やかな声が一瞬にして、悲鳴に変わった。
「…いっ…生きてる。」
何が起きたのか、理解するのにはそう時間がかからなかった。
目の前に、先程とはまた別の男が立っていた。
そう“第3者”の存在が-
_______
「カッ…ガハッ!」
一体何が起きたんだ?
オレは確かに…ソイツを…撃ったはずなのに…なんで…?
霞む視界で何とか現状を確認しようとした。
…そんな…まさか…!
『どうやら、おれの勝ちのようだ』
第3者はニッコリと微笑んだ。
「実に残念だったなぁ…。正念場でのgameoverってのは悲しいよなぁ?ねぇ。」
『静かにオヤスミよ』
ガウン!…
『gameover…』
X'masのメロディーが
あたり一帯に鳴り響いた-…
運命は深く絡みつき
そして時には 残酷な命を辿らせる-…
『さぁ、“賭け”をしよう-』
end