第2回 「楽なトレーニングで効果出そうなんて甘いよ!」
と言われながらも、次第に理論と結果を備え、
“体芯力“は多くの人に支持されるメソッドとして確立していきます。
そして、最終的な目標は「”体芯力“という言葉がなくなり、”体芯力“=当たり前のものになること!」
※亮司(お話:鈴木亮司) 淳子(聞き手:伊原淳子) 典子(聞き手:矢澤典子)
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いわゆる筋トレで身体がボロボロになってしまった亮司さんが出逢ったのは、
これまでの常識とは異なる「身体を伸ばすこと」でした。
実際に、自分もスポーツジムに来てくれるお客様も、「身体を伸ばすこと」でどんどん良くなっていきます。
「これを広めていくのは、自分に課された使命だ」と思ったところで、次なる壁にぶつかります。
(インタビュー第1回の内容はこちらから)⇒
http://ameblo.jp/sourire-ai/entry-12270611643.html
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(亮司)でも、広めていくには足りないものがあることに気づきました。
“理論”です。
指導していくには、理屈がないとダメです。
納得させるために理論が必要なんです。
フィーリングで納得する人もいます。
でもそれが指導者の場合、
「鈴木さんのトレーニングはいいけど、人にどうやって伝えていいかわからないんですよ。」と言われました。
「困りましたね。僕もわからないです。」となってしまったんです。
これでは広められない。
そこで、誰かこれを論理的に理解している人はいないか探し始めたんです。5年間ずっと探し続けました。
そしてあるとき、
「インナーマッスルを鍛えるには力を抜くことだ」と言っている、
東京大学の小林寛道教授を知ったのです。
さらに、その先生が近所で講演をすることを知りました。
土曜日の講演を直前の水曜日に知ったんです。
キタ~!と思いました。
(淳子)”緩める”ことの大切さを知り、その理論を探し続けていたら、
小林先生に出逢った。
(亮司)はい。
小林先生は、
「力を抜くことが大事。高齢者もアスリートも基本的には全部一緒だ」
と言いました。
自分が思っていたことと全く同じだったんです。
“緩める”というのは、抽象的過ぎて、「緩めるだけでは力が弱くなっちゃうんじゃないの?」と疑問を持たれるんです。
しかし、小林先生はデータを持っていました。
東大の研究で、7000人くらいを検証していて、
緩めることでインナーマッスルが活性化して太くなることをデータで見ることができたのです!
島津製作所とも共同で研究していて、
このレベルで研究しているなら間違いないと思いました。
こういうエビデンスを取っているところはスポーツ業界ではないんです。初めて見ました!
これを進めていこうって強く思いました!
そして、小林先生が「体の芯から力を出す」といっていたので、
「体芯力」としたんです。
(典子) “体芯力”という体操を知れば知るほど、私たちが今まで知っている一般的な筋トレとかトレーニングとは全然違うアプローチをするトレーニングだと感じます。
そういうことを人に伝えるうえで、伝えづらかったり、受け入れてもらえなかったりといったこともあるのではないかと想像するのですが、そのあたりで感じていた困難やエピソードなどありましたら、教えてください。
(亮司)たくさんあります!めちゃくちゃあります。
これをやり始めたのは、18年前なんです。
1999年というインナーマッスルなんて誰も知らない時代なんです。
骨盤って言っても、「何?骨盤?」という感じです。
肩甲骨っていえば、何?健康になる骨?と言われる時代でした。
全然伝わらなかったです。
スポーツクラブで教えていたのですが、先輩からは、
「そんなの誰もやりたがらないよ!」
「何でそんなことやってるの?」
「地味なことやってるね。」
「効果が出るわけないじゃん。楽なトレーニングで効果出そうなんて甘いよ!」
そんな感じで、ぼろくそに言われてました。
誰も味方がいなかったんですが、
「絶対これは本物だ!自分の身体が良くなっているのが何よりもの証拠。
結果を出して、周りを見返してやろうって!」って思っていました。
それでも、マニアックな人たちがどんどんきて、
どんどん身体が変わっていきました。
そうやって身体が変わった人たちの周りに人がまた来て、
巻き込まれて、どんどん変わっていったんです。
どんどんお客様が増えていって、
ようやく先輩たちも、「君は初めから違ってたね!」と言うようになりました。
結果を出すことで変わっていきました。
でも、まだ身内だけの結果でした。
その後小林先生から学び、論理的な説明もできるようになりました。
そうして、結果と理論で伝えられるようになったんです。
小林先生は、もっと苦しんだと思います。
学会の中で、研究者の中で、ものすごく風当りはきつかったはずです。
僕なんか比じゃないくらい。
ただ、やはりそのときに大事なのは、推し進める信念です。
(典子)エビデンスがないなか、エビデンスを得るために、5年間探し続けて、東大の小林先生に出会えたのは本当に執念のようなものがあったと思います。
エビデンスを得て、認められやすくなったのですね。周りの人も変わりましたか。
データを見せられるようになったら、大きく変わりました。
人って、一番最初に知ったことを基点として物事を考えるんですよね。
一番最初に見たものを親だと思うひな鳥のように。
初めに一般的な「筋トレ」の常識が頭にあると、“体芯力”の話をしても「なんだこれ?」となるわけです。
書籍でディベートの基本を学び、
体芯力いいですよ。(主張)
こういうデータがでています。(データ)
これは東大でデータを取りました。(論拠)
こういう説明ができるようになったら、皆さん納得されるようになりました。
(典子)5月からは運動を指導する指導者、つまり、スポーツジムのトレーナーの人などを対象に、「体芯力の理論を教える」ということをされようとしています。
亮司さんのように、緩めることを基本に教えられている方が、何らかの根拠が欲しいという思いで来られるのでしょうか。
(亮司)勘のいいトレーナーは、僕と同じように緩めることが大切だと感覚でわかっているのですね。
だから、そういう風に指導していて、お客さんも良くなっているのですが、根拠がないと、これまでいわゆる「筋トレ」を勧められてきた人は、データがないと納得してくれないことがやはりあるようです。
そういう方には、きちんとしたデータがあると納得してもらいやすい。
さらに、データがないところで感覚的にやっていると成果にもムラがでるんです。
データがあり、成果がでるという基準があるから安心してできる。
人に説明するときにこういうデータがあると心強いんです。
今、他でもいろいろなところでデータを取り始めていますが、
小林先生のデータは7,000人のデータを取っているので、深さが違います。
ものすごく細かいデータが出ているんです。
足の筋力が何パーセントあがったとか、
曲げる筋力が何パーセントあがったとか。
よく言われるんです。
体芯力って、すごく効果ありますよねって。
あたりまえですよ。
効果の実証されたデータがあって、その通りやっているだけですから。
あとは続ける根気と本気だけです!
(典子)体芯力の話を聞いていて思うのは、データに基づいた理論的なものなのに、実際にやるのはすっごくシンプル。
それこそ、小さな子どもでもできるし、寝たきりに近いおじいちゃんおばあちゃんもできる。
痛みを抱えている方もできるし、かと思えば、プロのアスリートがパフォーマンスをあげるためにも有効だったり。
本当にユニバーサルで誰もが取り組める素晴らしいトレーニングだと思います。
私は体芯力を知って「小学校の体育の授業で教えてもらったらすごくいいのに!」と思いました。
今後体芯力を広めていくことで、どんな社会を、どんな世界を目指されているのでしょうか。
(亮司)最終的には、体芯力という言葉が消えること。
常識になり、当たり前になっていること。
今は特別感を出すためにこういう言葉を使ってアピールしていますが、
最終的には体芯力という言葉が消えることです。
皆がラジオ体操のように当たり前にやっている世界にしたいです。
それくらいまで行けると思っています。
今までのトレーニングの常識が邪魔をしているので、なかなかこれを変えるのは大変なんですが、最終的には、学校教育で普通にやっているようになります。
体芯力という言葉もなく、
健康になろうという努力も必要ない。
やっていれば当たり前に健康でいられる。
今は、普通にしているとみんな病気になってしまうので、
健康になるために、いろいろな努力が必要じゃないですか。
そんな努力は必要なく、皆、普通に健康になれる。
というのが最終的な目標です。
僕が生きている間に実現できればと思います。
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第3回(最終回)は、亮司さんが熱く語ってくれた“奇跡の夢中体験”をレポートします。
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◆お話
(亮司)鈴木亮司
心と身体を緩める頑張らない筋トレ「体芯力®」
Tanren塾 塾長
http://ryojisuzuki.jp/
◆聞き手
(淳子)伊原淳子
お家で遊びながらできるモンテッソーリ教育「太陽ママのお家ようちえん」主宰
モンテッソーリ教育に出逢い、内なる欲求に従い「夢中になること」で発揮される神秘的な力の虜となる。「夢中体験インタビュー」が、誰もが胸の奥深くに持つ純粋な輝きに気づくきっかけとなり、その輝きで彩られる調和した世界が創られていくことを願っています。
http://ameblo.jp/sourire-ai
(典子)矢澤典子
ビジネスシナリオライター
セミナー講師や教室経営者向けに教材テキストを作る
「感動教材プランニング」主宰
「一般的にまだあまり認知されていないものや、受け入れられていないもの。 ユニークだったり、オリジナリティが高いからこそ、なかなか伝えづらいし伝わりにくいもの」を取り上げ 見える形にしていくことで、そのコンテンツを多くの方に知ってもらい、「選択肢の1つ」として捉えていただきたいという想いがあります。
http://www.norikoyazawa.com/