2年以上経過して。

ほんの少し研究の方向が見えて来た・・・気配がある。
まだまだ小さな芽だけれども。

ちゃんと育んでいかなくちゃ、と思えるものが見えて来たかな。

もっともっと頑張らなくちゃと思っているところ。
だけど、これまでも頑張って来たのに。これ以上頑張れるのかしら、と不安で苦しい気持ちも大きい。
頑張ろうと思う気持ちと。そろそろ厳しいなあと躊躇う気持ちと。

なんとかバランスを取ろうと必死な毎日。

そんな中。
なんだか時間をたっぷりと持っていかれそうな噂を耳にする。

...本当に?
こんなに頑張っているのになあ。いいところなのになあ。

研究は、お互いに支え合って環境を作り合って広げて、深めていくものだと。
そんなことはわかっているし。これまで多くの方々の努力のお陰で、今仕事する環境を貰えていることも承知している。

そこに関われるのは有難いこと。今回の大きな震災で被災した方々のことを思えば、少しばかりの時間を提供することがなんだっていうんだろう。

そう思うことでなんとか立ち向かう力を奮いたたせよう。
もう少し、頑張る余地があるってことなんだろう、きっと。

負けない・・・つもりよ。
効率を上げられるように、少しやり方を見直そう。


新入生にむけて、ラボを紹介する講義をした。
気に入ったラボを選んで、適当に所属してちょうだい、という主旨・・・らしい。

けど、まあ。
医者になろうと(様々なモチベーションだとしても)思って、ようやく入って来た新入生に、研究のハナシねえ・・・

そんなわけで、だいぶ迷った挙げ句。医学部で行われている基礎研究の意義、みたいなものを熱く語ってみた。
もちろん、私たちの研究の意義に繋げるようにしましたけど(笑)

その結果。
その日の夕方。
なんと、ラボ見学に来た学生、総勢12名・・・くらい

しかもっ。
全員男の子っ!!!

私史上、最大の快挙、かもしれません・・・(*゚ー゚)ゞ

まあ、彼らがラボに所属したいかどうか、研究したいかどうかは別ですが。
そういう世界もあることを示してあげられたことには満足している。

すくすくと育ってくださいませ。...という目線になって来たことにショックを感じつつ。

医学部に所属したのは、通算7年になる。
私自身は薬学部の出身なので、なんというのか、コンプレックス、というのか、孤立感みたいなのは、ずっとつきまとう。
結局、医学生に必要な情報を与えてあげられないし。経験を話してあげる訳にもいかない。
研究は楽しいよ、と伝えてあげたくも、給料的にもサバイバルの厳しさ的にも、本人の能力的にも・・・簡単に勧める訳にはいかないし。
そんな中途半端な状態で、研究の面白さを伝えることは、逆に罪なことなんじゃないかとか。いろいろ悩みは尽きない訳で。
ま、結局は本人が選ぶしかないのだが。

それでも最近、少しずつ躊躇いが減って来ている。
選択肢を示してあげることは、無駄ではないかと思えるようになって来た。
私は、高校生のとき、医者という選択肢も考えなかった訳じゃない。
でも、若いなりに冷静に、自分に向いている職業でないと(正しい)判断を下した結果、薬学部への入学、そして研究者へと歩んで来た。
今でもその時の自分の判断を思うと、若い自分を褒めてあげたくなる。

でもつい、気がつかないまま入学しちゃう人たちもいるんだろうと思う。
そんな彼ら、彼女達に、他の道を示すことは、それなりの意味があると思えるようになってきた。

ほんとうに、折角なのですくすくと育って、一人一人にぴったりな道をさぐってくださいませ。

ひとりでできることなんて限られているよ。

これは今のボスから常々言われていること。

そんな当たり前のこと知っているよ、と思うのだけれども。
でも、次々といろんな判断をして、陣頭指揮を執らないとイケナイ毎日だと。
ついうっかり、自分が頑張らなくちゃという焦りのもと、自分だけが頑張っているという、大きな勘違いを犯しがち、なのかもしれない。

人の力を最大限に引き出すように、あるいは、全体として強くなるように最適な配置にするように。
常に常に心がけているけれども。それなりには出来るようになっていると思うけれども。
それは、仕事だから。そうすべきだから。そうして来たんだろうか。
本当に、みんなの力を貸してもらおうという謙虚な姿勢があるのかないのか。

ラボの空気を活性化して。なおかつ出来る限り、リラックスできるように。でも、びしりと締めるところは締めておいて。

そんな難しいこと、すごく頑張っている。できてないかもしれないけど。でも頑張ってはいるんだ。

でもだから。時折疲れちゃうわけだけど。
そんな時に、ふと周りが支えてくれているのを感じられるようになって来た。

そっか。こういうことなのかな。
私が出来る限り頑張ることは、もちろん大切だし手を抜いちゃいけないけど。
頑張れば、支えてもらえたりもする。
お互いさまなんだな。

上手に助けてもらえるように、なってみるといいのかもしれない。
どんなに哀しい事件があっても。
でも、ちゃんと春は来るのね。
気がついたら桜が花開き始めていて。
そこかしこに、ほんわりとしたピンクを与えてくれていて。

気がつけば、新学期。
目を輝かせた学生達が入ってくる時期。
夢を・・・できるだけ長い時間与えられたら、あるいは共有できたら、と願う。

その為には、やっぱり、私が夢を見続けないと、と最近は思う。
ま、夢みたいな夢じゃだめだけど。

周りの人に研究を楽しんでもらいたい。
それが私の願いの一つなのだけれども。
上手く行く時ばかりじゃない。

なんで・・・と嘆く前に、多分その時は、私が夢を追ってわくわくしていないんだろう、と反省すべきだな。

夢を提供して、共有して、一緒に追い掛けながら。
同時に自分の夢を探して、自分を楽しませて。
そうやって、みんなで夢を育てていけたら。
...いいな、と思う。

まだまだ遠いけれども。でも、少なくとも私は成長してきたかな。
大地震から、もう2週間以上経ったとは。
未だに、一番ひどい時期がすぎたのかどうかさえわからない毎日。
テレビから流れる映像に、涙があふれない日がない日々。
偉そうに生きてきたけれども、こんな時に何の役にも立てないことに対する憤り。

こちらは、幸い何一つ問題がなく、停電もなく。平穏な毎日を送っています。
仕事は一生懸命、いつも以上に頑張って、充実しているけれども。
やっぱりどうしようもない空虚感とか、不安とか、悲しみとかが、心と体を疲れさせる。

私はちょうど、あの地震の時、東京にいたのでした。
大きな揺れを体感したのみならず、帰宅難民にさえなって、製薬会社さんのビルの一室で寝袋の中で一夜を明かしていました。
もちろん、それはとても恵まれた環境だった訳ですが。

そんな不安な時、あるいは今でも。
どっさりと来る海外からの心配メールには、本当に勇気づけられました。

フランスの友人は、リフォームしたお家に私のベッドルームがあるからね。と。
招待を待ったり、許可を得たりしなくていいから。ただ着いたよ、って連絡すればいいから。と。
もちろん、今現在、そんな状況にあるわけではなく。彼女の心配は、幸いにも的外れではあるのだけれども。
そんなに一生懸命考えてくれる人がいるというだけで、ほんわりとする。

私も、何もできないことを嘆いていないで、せめて日本をほんわりとできないかな。
まずは自分から、元気を出して行かないと。せめて仕事を頑張って行かないとね。

日本中の皆様が少しでも早く笑顔になれますように。