キラー馬場 | 松本順之の『日々是サバイバル』

キラー馬場


 前回のブログで馬場が嫌いだったと書いたが、実際馬場の試合で個人的に思い出に残っている試合はほとんどない。ファミリー軍団の馬場さんは好きだったけど、ジャイアント馬場(マニアなら分かりますよね、この言い回し)はとにかく嫌いだった。だから思い出の試合もゼロ!と言いたい所だが、ひとつだけ心に残っている試合があるんだな、これが。

 今月の日テレG+『プロレスクラシック』で放送中の「馬場対上田馬之助」(1983・3・3後楽園ホール)、この一戦。このシリーズ、馬場はPWF奪回とやらでシリーズを欠場し海外へ。奪回後の最終戦・後楽園のみの参戦。このシリーズは、その後大ブームを巻き起こすザ・グレート・カブキの初来日(凱旋というべきか?)もあり、鶴田・天龍・大仁田あたりの面子で初めて馬場抜きで乗り切った記念すべきシリーズ。カブキ人気もあり、客入りも良かったと記憶している。

 話を戻そう。この試合、キラー馬場を見る事が出来る。元々、日本プロレス時代のクーデターあたりから上田の事が大嫌いな馬場にとって、上田をいつか制裁してやろうと思っていたのは想像に難くない。そこでアームブリ-カー多発で腕脱臼(・・・ん?どこかで同じ様な試合あったなぁー 笑)。アングルではあろうが、今見ても怨念がこもっている(ように見える)。そして更に驚く事に、馬場がこの試合でアキレス腱固めを披露しているのだ。アキレス腱~が注目され始めるのは旧UWF以降の事だから(1984年~)、それ以前の83年に既に馬場と上田によって、しかも全日のリング上で行われた事にびっくり。勿論、馬場の足が長すぎて、猪木と藤原みたいにキメッコにはならなかったが。さすが、「シューティングを越えたものがプロレス」と言っただけの事はある。この試合、深いです。