アダルトチルドレンさんは、境界線の悩みを抱えている方が多いです。それは、親との間で、適切な距離感(=境界線)を経験を通して、獲得することに失敗しているからです。
私の両親も、適切な境界線を学べなかった、アダルトチルドレンです(両親の悲しい背景については、以前の過去記事に詳しく述べています)
だから人との適切な距離感を知らない私を、今の私は、もう卑下しません。
これが今の私であり、私の再出発ラインなのです。自分の現状を把握して、これから自分で学んでいくしかありません。
母も父も愛着障害があり、母に至っては、自己愛性パーソナリティー障害も持っています。毒親チェックリストも、全問該当に近い勢いです。(興味のある方は、やってみてください。どんな人が毒親なのか、わかります)
掘れば掘るほど、私の現状にはいろんな要因が、複雑に絡み合っていて、過酷を極めました。それでも、どんなに重度でも、少しずつ回復していくしかありません。
傷ついた過去は変えられません。どんなに心の弊害が、今後軽くなっていったとしても、アダルトチルドレンになる前の、真っ新な私にはなれません。
過去の悲しい気持ちがふっと湧いてきて、涙が止まらない時があっても、今の私は、その感情に蓋をして、抑圧することはしません。そっと抱きしめて、一緒に味わうだけです。
傷つき、悲しんだ感情もまた、私の大切な一部分だからです。
人間関係を構築する上で「境界線」という概念はとても大切です(過去記事あり)
健全な親の元で、すくすくと育つことができた人は、無意識に、自己の確立ができ、自分というものの輪郭を持ち、このラインを越えたら、不快と感じるところで、ストップをかけることができます。
しかし、境界の侵入が当たり前で育った私は、深層心理は苦しくても、親からされて嫌なことが何なのかを、具体的に知る由もなく、他人にも無意識に境界侵入したりされたりしてしまっていました。
生来のエンパス気質で、人との境界線が薄いうえに、親との関係がさらに拍車をかけた感じです。
他人軸を自分軸に戻していくには、一長一短ですが、自分なりのマイルールを作っていくこと、後は、経験を重ねることで、少しずつ改善していくしかないです。嫌なことは嫌だと口に出して伝える練習です。
母は、とても優しい口調で、子を思いやっているように見せかけて、それはそれは上手に、いつも誘導尋問していました。だから、どんなことでも包み隠さずに話す癖が身についてしまいました。
これはNGです。毒親育ちさんではない人は、「そんなこと、はっきり嫌と言えばいいだけ」と簡単に思うでしょうが、それは自我が確立できていて、親に「拒否」を躊躇することなく言えて、それを親が受け入れてくれる環境で育ったから、難なくできるのです。
今だからこそ、良くない習慣だとわかりますが、「拒否」を受け入れてもらえない環境で育ち、親の言うなりに生きるしかなかった人にとって、それは、簡単なことではないのです。
普通の人なら当たり前に習得できたこと、その「当たり前」が、毒親育ちには、許されなかったのです。
境界侵入が日常の、絶賛洗脳中の当時の私は、対策を立てることは、できるはずもありません。自己の確立自体を強固に阻止され、自分の感情、思い、人格を否定される中で、権威者である親に、太刀打ちできるはずもありません。
母や父は、私の感情、思いには全否定で返しますが、私の近況を聞くことは、支配下に置いておく為でもあり、不安定な自分の心を少しでも安定させるため、子をコントロールすることで、自分が安心していたいからです。
自分の親からもらえなかった愛情を渇望しているので、目の前にいる我が子から、こうやってエネルギーを奪い続けます。
でも、私はもう大人です。望みさえすれば、自分の安心する道を選べる。現状を知ったなら、今は対策を立てることができる。健全な境界線を手に入れることも、練習すれば、できるようになる。
最初は上手く行かないこともあります。人が、昔みたいに去っていくこともある。それでも、私は試行錯誤して、前進していきます。失敗しても、たとえ境界線を侵入したりしたりすることがあっても、自分を責めずに優しく受け入れます。
今までの人生で、誰よりも自分を責めて鞭打って、自分に精神的虐待をしてきたのは私です。だから、これからの人生は、失敗を怖れるのではなく、どんな自分をも無条件に愛していく、ということが、一番大事だと感じます。
私が親から欲しくてたまらなかったのは、「無条件に愛してもらうこと」でした。それを、自分に今から与えるのです。