九州の、温泉で有名な、とある観光地へ出向きました。平日にもかかわらず、人がうじゃうじゃ。しかも8割強、韓国、中国などのアジア人でした。

 

 狭い道なのに、人が多すぎて、車がなかなか前に進まず。幸い、避けては下さるので、助かりましたが、やっとの思いで、宿の駐車場に到着。人のあまりの多さに、周辺散策をする気にもなれず、宿へ直行。チェックインまで別室で待ち、部屋へと移りました。

 

 部屋はとてもコンパクトでしたが、源泉かけ流しの部屋風呂もあり、しかも部屋食。至れり尽くせりでした。一番驚いたのは静寂。離れだったからですが、そこに広がるのは、異空間、別世界。

 

 この静寂の為に、お金を払った、といっても過言ではありません。その位、静寂でした。つかず離れずの接客も素晴らしく、感動しました。若いスタッフもいましたが、やはり、年配ベテランの方の、精通した接客には遠く及びません。

 

 そのような素晴らしい接客をされる方達が、一人二人と少なくなっている観光業。しかし、日本ならではのおもてなしの精神が、絶えることなく、どうか受け継がれてほしいと感じました。

 

 センシティブスリーパーの私は、旅行先では眠れないのですが、この宿で、初めて睡眠を取ることができました。マットレスがふかふかで、気持ち良かったからかもしれませんが、何よりも、確保されているプライベート、静寂な空間だったからだと思いました。

 

 大浴場も、大きな声で話している方も若干おられましたが、入る前に聞こえてきたので、時間をずらして入り直したら、静かな人達ばかりで快適でした。

 

 人に対する気遣いができる、静かな人達は、そっと他の人達とのタイミングをずらすなどして、調整します。そんなさりげない気配りができるのも、日本人ならではではないでしょうか。

 

 現在、オーバーツーリズムの問題が、世界のあちこちで挙がっていて、対策を取っている諸外国も出てきています。

 

 日本でも、その動きは出ているようですが、私が行った観光地でも必要だと感じました。

 

 午前中から、人が溢れるほど来ている原因は何か?と観察していたら、大型バスだったんです。何台も何台も乗り入れていて、大量に人が降りてくる。道路に面した所で、早速自撮り棒でスマホ撮影が始まる。

 

 至る所で、いろんな人が、母国語で大きな声で話しながら、スマホで写真や動画の撮影。もう、その雰囲気にゲンナリしました。この土地に住んでいる人達は、どう思っているのか。

 

 沢山の観光客が来ることで成り立つ観光業。しかし、莫大なお金と引き換えに、お金には代えられないもの、大切にすべき、その土地の雰囲気や、風土、景観、人との距離感、空気感、観光地を大切に思い、保つ配慮などが、欠落している気がします。

 

 一見すると、日本なのに、小さなアジアのような場所になっています。日本を好きで来て下さるのなら、日本人がどうやって、自分達の場所を大切に育み、清潔に品位ある状態に保っているのかという、心配りや情熱も、学び取っていってほしいものだと感じました。

 

 これからしばらくは、あまり観光で有名でなくとも、素晴らしい場所を見つけて、行ってみたいと思っています。