ある日 私は 幼稚園に行きたくなかった
泣きまくってぐずるも そんな私に 父が取った行動は
一言も発さずに 無言で 淡々と 次の行動に出た
嫌がり もがきまくる 小さな私を抱きかかえて
無理やり 車の後部座席に乗せた
ずーっと 幼稚園のバス停まで 泣き続ける私
永遠ともいえるほど長く感じた その時 やがて到着して
お迎えの園児バスの先生に 私を無理やり渡した
ありったけの全身の力で抗い おへそが むき出しになるほど 抵抗したのに…
その思いは 1mmも 理解してもらえなかった
理解しようという姿勢は 1mmも存在していなかった
あの時 「行きたくないんだね?」と 一旦 私の気持ちを受け止めて
「どうして行きたくないんだい?」と 優しく 聞いてくれたなら…
私は 恐怖で震えあがっている
私の思いを まったく理解してはもらえない
産まれた時から悲しみ続けてきた 泣き出しそうな 小さな心を
一瞬で 溶かすことができただろう
子の人格 思いを感じて 理解し 肯定すること
血は繋がっていても 子は 親の分身ではない
違う人格を持った 別の魂
子の心へ関心を寄せ 尊重し 対等に扱うということを
親(私の祖父母)から教えられなかった父は
「どう思う?どう感じている?」と 子に 思いを馳せる視点がない
親である前に 子である前に ひとりの別の人格を持った人を
上下関係ではなく 対等に 対話をし 理解し 尊重すること
機能不全家族を築く 多くの親達は
この根幹となる シンプルな真実に 全然たどり着きません
その大切な真実を 経験として
自分の親から 教えてもらうことが出来なかったから
その基本的なことが 全く わからないのです
親に従わされるということが どれほどつらいことか
きっと 親も子どもの頃 幾度となく味わったはずなのです
でも その深く傷ついた 心の中に封印した思いに
自分自身が 気づかないまま
その悲しみを封印したまま 無意識に生きているから
親からされたように 今度は 自分も
「しつけ」だと思い込んで 何の躊躇いもなく
ただ 押さえつけるのです
でも どうか 一人でも多くの親が 思い出してほしい
辛かったはずの 幼い頃の 自分の心を
子は 親の価値観で 雁字搦めにされ
人生の選択権 自分がしたい経験を
次々と奪われ 次第に 無気力になっていきます
自分も子どもの時 ただただ 自分に関心を持ってもらい
自分という人間を 肯定して欲しかった
対話を重ね 「あなたならできるよ。大丈夫だよ。」と
励まして欲しかった 信頼してほしかった
抱きしめてほしかったはず
それなのに 「あなたの為」と言いながら
親という権威者となって 子の心を苦しめ 従わせようとする
親は それを 「真の愛情」だと 思い込んでいる
お父さん あなたが もし 私と同じ幼稚園の時に
私にしたように 親に同じことをされたなら
深く 深く 悲しんで 心が張り裂けたはず
自分が 子どもの時に 本当にしてほしかったことは
行きたくない自分の気持ちを受け入れて
なぜ 行きたくないのか 自分の思いを
話を聞いてほしかったはず
その問いかけがあるのと ないのとでは 雲泥の差
親が思う 子が望むこと 喜ぶこととは
たいていの場合 お門違いです
親は 子の為ではなく 「自分の為」にしています
子は 親の操り人形ではありません
自分の思い通りにしようとすることは
子の心を 破壊し 殺し続ける行為なのです
幼稚園から帰ってきた私を見て
行ってしまえば 解決する そう納得した様子だった
あの日 私の心には 親に対する深い失望で一杯だった
「自分の思いを 表現しても 潰される」
「表現してはいけない」と 潜在意識に強く植え付けられた
抵抗の真意を理解してもらえなかった私は
今後 親の言うなりになるしかないと
無意識下で 固く 決意したように思う
幼稚園の私へ
とても辛かったね 悲しかったね
これからは 私が あなたの小さな心を
悲しみを 大切に感じて 労わって 癒して
健全な心と人格を 育て直していくからね
私が 私に 揺るぎない 無条件の愛情を
たくさん たくさん 注いでいくからね
私は 小さなあなたの 絶対的な一番の味方だよ
手を取り合って 一緒に 生きていこうね