カウンセリングによって、自分の奥深くに閉じ込めた感情の扉を解放していくと、幾度となく、大きな感情の波に激しく揺さぶられ、自分でもどうしたらいいのかわからないという場面があると思います。私も何度となく経験しました。だからこそ、カウンセラーという力強い存在が必要になるわけで、そういう時は、カウンセラーに委ねてください。遠慮なく。

 

 

 私の場合、一度その扉を解放したら、とめどなくいろんな感情が湧いてきたので(敏感になっています。)カウンセリングの日以外にその波が来たとき(外側の現実が引き金になります)とても苦しみました。この段階の私は、まだ自分の感情のケアをするという術を知りません。例え知っていたとしても、今までの蓄積された感情の大きさは、質も量も相当なものです。この段階の方は、ぜひとも、自分に優しくしてほしいです。

 

 

 私は、自分に対する強烈な精神的虐待をしていましたので、自分に優しくするということさえわからず、今までと同じやり方で、さらに自分を責め、際限なく、苦しい状況でした。大きな感情を解放している時は、新たな責任を背負うような場面は極力避けた方が望ましいです。とても繊細になっていますので。お仕事をされているなどの事情がある方は、とても大変だと思います。どうか自分に優しくしてください。その方法がわからない方は、練習のつもりで、まずは自分責めをやめましょう。胸が苦しい感じがしたら、それは自分を無意識に責めている状態です。それにまずは気づけるといいですね。心の中の声掛けを、いつも専属のカウンセラーがもう一人いるような感じで、自分を、励まし、褒めたたえてください。私は幸い、その時仕事をしていなかったので、浄化だけに集中することができたことは、ラッキーなことでした。

 

 

 

 先ほど、感情のケアを知らないという話を出しました。生まれてからずっと受け身で、他人軸で生きてきた私は、自分の面倒が見れない状態です。いつも、落ち込んだら落ち込んだまま。怒っていたら、ずっとその怒りが継続します。おそらく、母や、その他、周りにいる人がどうにかしてくれた時に、初めてその感情を変化させていたんだと思います。察してもらうのを待っている状態です。本当は自分で、その感情を持ち続けるか、本来は選択できるし、自分なりの気分転換法を理解していたら、実行することが出来ます。でも、それができませんでした。わかりませんでした。四六時中、意識が他者に向いているので、自分の感情を感じるということを放棄していました。自分の感情を感じるセンサーは存在しているけど、使われないことで、休眠状態でした。

 

 

 だから、何らかの出来事があって、感情が揺さぶられた時、私は、友人などにずーっと愚痴を聞いてもらっていました。今、振り返ると、なんと友人に酷なことをしていたか、友人の時間を奪っていたかと申し訳なく思う位です。でも、その方法しか実行できませんでした。誰かに聞いてもらうということだけが有効だった気がします。それも私を肯定的に思ってくれる人に対してだけ。

それで、友人との絆が深まる場合もありますが、限度というものがあるので、友人のことも尊重できない状態では、いずれ破綻していくのです。自分のことさえ大切にできていない状態なので、他者を尊重することはもちろんできません。

 

 共依存のカウンセリングで有名だった、西尾和美さん(もう亡くなられています)の本にありました。

 

 「共依存者は、やがて友人が少しずつ減っていき、最後に自分の目の前に残るのは、依存者だけになる。」と。

 

 

 でも、そんな私でも、今人生のコースを変えることができ、まだ道半ばではありますが、少しずつ幸せセンサーが蘇ってきています。自分の人生を自分の意思で歩くことができる。例え、まだ危なっかしい歩みであっても、人の操り人形ではないということは、とても大きな意味を持ちます。自分を育て直していくのです。