共依存者をカウンセリングで救う、カウンセラーの立場について振り返りました。
共依存者(例:私)は、依存者(例:母)を自己犠牲して世話をし、長年関係を続けてきています。共依存者は、人間関係のベースが共依存です。信頼できるカウンセラーによって、母に受け止めてもらえなかった感情を、生まれて初めて受け止めてもらう、という体験をします。それは、とても重要なことであり、また嬉しく、心強く、回復への歩みには必要不可欠です。自分一人では、レベルが重症な人ほど、一人では到底できません。程度が軽い方(共依存関係の年数など)は、カウンセリングという形でなくても、いいのかもしれません。グループカウンセリングや、自助グループなどもあります。私は、グループなど複数となると、他の方のことが気になって、自分の回復どころではなくなるので、その選択肢では、浄化できなかったと思います。とにかく最低、一人でも、信頼できる人と出会えば、突破できます。
ですが、晴れて出会うことができ、カウンセリングをスタートします。一日、二日では感情の癒しはできません。ある程度の期間が必要となるでしょう。ただその中で、クライアントにとって、話を聞いてもらい、受け止めてもらうことは、母の存在を見る感じで、共依存者は嬉しくなり、一体化しようとしてしまいます。自分を支え、励まし、導いてくれる存在が現れると、共依存者は、依存者に偏る傾向が強く出ます。共依存者と依存者の関係を行ったり来たりするのです。まだ、回復が過去の浄化段階(今までの毒出し)では、ある程度は仕方ないと思います。信頼できる人でなければ、感情を吐露することさえできませんから。
とはいえ、回復の最大の目的は、精神的な自立であり、健全な大人として生きていくことです。回復ステップ①の段階では、まだ長年の、自分を苦しめてきた思考パターンや信念を持ったままであり、また健全な人間関係とは何か、という新しいスキルを身に着けていないので、共依存でカウンセリングを始める方は、頭の片隅に、カウンセラーを母として見る、一体化する傾向があることは、頭に留めておいてほしいです。留めておいていても、無意識に今までのやり方が、出てきてしまいます。その段階では、ある程度は仕方ないかもしれませんが、気を付けましょう。私は、ここまで気づくまで、ずいぶんかかりました。
ここで、大事なことは、自分が信頼できる人、好きな人とは一体化する傾向があることを自覚すること。そして、そのような癖が出てきた時に、カウンセラーから指摘されることもあるでしょう。そして、完全な精神的自立が到達点であることをしっかり見据えておくことです。カウンセラーにも、その人なりの人生があり、仕事だけでなく、生活もあります。そしてカウンセラーにとっても、クライアントが、自分の人生を、楽しく自由に自立して生きていくことを願っていると思います。共依存者は、境界を侵されて育っているので、悲しいことに、その逆のことも無意識にしてしまいます。悪気があってのことではありませんが、相手の境界に侵入しがちになるのです。
逆に、ここで、無条件に、「なんでも、いつでもあなたの悩みを聞きますよ。私にどんどん頼って。」というような発言や態度をとって、共依存者を甘やかせるようなカウンセラーは、好ましくありません。それは、新たに共依存関係となるだけで、カウンセラーなしの人生を歩むことができなくなります。カウンセラーに依存することになります。それを許すカウンセラーは、ただ単に、あなたを本当に救おうとしているわけではなく、お金目的です。その点は、注意しておきましょう。
カウンセラーとより良い関係を維持できることも、回復への大事なポイントだと思います。なかなか実践するのは難しいですが…。