現代版シンデレラ(31)の続き。さいしょからはこちら→現代版シンデレラの扉


 シンデレラを 無事お城まで送り届けた たんていさんは


 追って来る パトカーの追走を振り切り ようやく一息ついて


 街の交差点に 出ました。


 自分の役目は なんとか果たしました。


 泣いているシンデレラに希望を与え 淑女のたしなみを身につけさせ 


 王子が興味を沸くように 占い師に変装し シンデレラに ガラスの靴や


 真珠のイヤリング 美しいドレスなどを用意しました。


 あとは シンデレラ自身に かかっているはずでしたが


 たんていさんの頭の中では 何か引っかかっていました。


 いやな 胸騒ぎがするのです。


 こういう場合の直感は よく的中し 幾つもの危機を


 回避してきた経験が たんていさんにはありました。


 虫の知らせには 素直に従い 自分の直感を信じ


 そして 何よりも思考する。 たんていさんは


 いつもそうやって 生きてきました。


 「(何か見落とした点はないのか・・・。このさっきからするピリピリとしたものはよくない兆候だ。ここは考えどきだ。今までに起こったこと全てのことを振り返り、何かおかしな点はなかったか、よく探してみるんだ・・・人間一人の命が懸かっていることだ。絶対に失敗は許されない)」


 「(それにしても・・・グレッグの動きがなさ過ぎる。あの日からずっと、グレッグの行動は監視していたが・・・まったくもっておかしなところはない。完璧だ・・・まるでこちらの手を読んだかのような・・・)」


 たんていさんは はっと気がつきます。


 「(まて、今の発想を逆転させてみよう。グレッグが気がついていないのを考えるのではなく、グレッグが気がついていればどうするかを考えるんだ・・・)」


 「(当然、私の計画を阻止しようとするだろう。計画を阻止するには・・・お城に近づけさせないか、その前にシンデレラ自身を捕らえるかぐらいだ。王子をどうにかするよりは、この方が簡単だ・・・!!!)」


 たんていさんの頭の中で パズルのピースが どんどん嵌っていき


 やがて 一枚の絵が 完成しました。


 「渋滞に検問、そして地下鉄の事故、これは本当に偶然だったのか・・・。そもそも、運転手の過失による事故など、そうめったに起こるもんじゃない・・・検問を張るというのは何か事件が起きたときだ。しかし、そんな事故や事件はニュースに流れていない。だとしたら・・・」


 たんていさんは 急いで お城に引き返します。


 「シンデレラ・・・無事でいてくれよ」


 続きはこちら→現代版シンデレラ(33)


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