さいしょは ただ眺めているだけで 幸せだった


 いつも自分の上にある月 たまに曇って 見えなくなるけれど


 そのうち輝いて 優しく 私を照らしていた


 人は 失ってはじめて 自分のやった過ちに気づく


 だけど だけど それが一体なんだというんだろう


 求めてはいけない 追ってはいけない


 自分でも 理解していたはずだった


 でも それは ひとときの夢だった


 はかなかった せつなかった こわれる時は 一瞬だった


 本当は 信じていたかった


 全てを忘れて 受け入れて 欲しかった

 

 言い訳なんて してほしくなかった

 

 だって 私は純粋な 月に憧れていたから

  

 外面なんて気にもしていなかった でも それは 伝わってもいなかった

 

 それが 一番悲しかった 月は何もわかっていなかった


 私は ルールを みずから破った


 ただ ただ 遥かなる月への道が 有るか 確かめたかった


 どんな小さな道でもよかった


 だけど 空気のない宇宙に 風は吹けなかった