現代版シンデレラ(27)の続き。最初からは→現代版シンデレラの扉
「グレッグさん、思ったとおりです」
お城で グレッグのために特別用意された部屋で グレッグがくつろいでいると
グレッグの部下が 入ってきました。
「グレッグさんのいったとおり、渋滞を無謀な方法を通り抜けた二人の男女がおります。二人の男女はこの城がある方面へむかっているそうです」
その報告をうけたグレッグは考え込みます。
「(奴等が来られないように航空、鉄道、道路、全てを封鎖と行方不明の娘の捜索を極秘に警察に回して調査させた。ここまでは順調だったが、どうやら奴等はどうしても王子と会いたいらしいな。王子と会おうが王子と話す機会がなければ無駄足だとわからないようだな・・・さて、どうしてくれようか)」
狡猾なグレッグ 彼の手の中で踊る二人の男女の運命を弄び どのような努力も
気泡に還す 悪巧みを仕掛けて 成行きをじっと観察しています。
これまで グレッグの 策に 載せられて 破産したものや自殺したものは
たくさんおりましたが 全て闇に葬られていました。
「(まあ、いい。王子と会って、もし、王子に認められるようなことがあれば、シンデレラには最後のダンスでもプレゼントしようか。その後、死んでもらうのも面白い・・・まさに悲劇のヒロインだな)」
グレッグは 薄気味悪い笑みを浮かべながら 一人 哄笑しています。
「(それに・・・どのように転ぼうが、シンデレラの性格を熟知している私を越えることなどはできないのだ・・・馬鹿で愚かで、優しさというこの世で一番、脆く崩れやすいものを信じているあの娘などいかようにでもできる。そう、いかようにもな・・・)」
所詮 シンデレラも亡くなった母も グレッグの 人形に過ぎないのでした。
続きはこちら→ 現代版シンデレラ(29)
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