現代版シンデレラ(26)の続き。最初からはこちら→現代版シンデレラの扉


 ダンスパーティーの会場は とてもとても豪華です。


 王子のために集められた 演奏隊が 会場に素晴らしい音楽を奏で


 この日のために用意された 超一流の料理が 参加者に


 幸せを運んでいました。


 「王子、どうしてどなたとも踊らないのです?全て、王子の誕生日を祝うために来られた令嬢ですぞ」


 「大臣、そんなことは言われなくてもわかっている」


 王子の誕生日パーティーが始まって すでに4時間以上。


 その間に 王子をダンスに誘いに来た女性は たくさんいました。


 ですが 王子は 誰とも踊りません。


 そんな王子の行動を見て 令嬢や参加者は 推測し始めます。


 最初に王子と踊った相手こそが 王子様の花嫁になれるのだと。


 「ですが、このまま誰とも踊らないとなると・・・」


 「ああ、だから、私は待っているのだ。大臣。プリムラの花言葉を知っているか?」


 「いいえ、私はそういう方面の知識は・・・」


 「無言の愛だ。私は、アマリリスや、桜、カラーの花言葉に代表する女性がやってくることを信じたいのだ。だから、私はその女性が現れた時、真実の愛を持って迎えたい。そのためには誰とも踊るわけにはいかない」


 「……どうやら、王子はこのパーティーで本当に花嫁を探す覚悟がおありのようですな。しかし、24時までですぞ。それでも、王子が探し求める女性が現れなければ、招待客の数人の女性とは踊っていただきますぞ」


 「わかった・・・」


 そんな取り決めが 王子と大臣の間に 交わされているとも知らず


 またもや ダンスを誘いに 一人の女性が現れました。


 「王子様、私と踊っていただけませんか?」


 その女性は 艶やかに微笑みます。


 「申しわけありませんが・・・」


 また一人の女性が撃沈されました。それがシンデレラの義理の姉とは


 王子は知りません。


 「そうですか・・・」


 義理の姉はあっさりと引き下がりましたが 内心は 煮えぬ思いで


 一杯でした。


 続きはこちら→  現代版シンデレラ(28)


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