現代版シンデレラ(25)の続き。最初からはこちら→現代版シンデレラの扉


 「おい、すまないがこのバイク売ってもらえないか?」


 通りで バイクに腰掛けながら 彼女と話している男に たんていさんは


 声をかけました。


 「なんだって?俺は今デート中よ?」


 たんていさんは 財布を その男に放り投げ 男に迷いすら


 与えませんでした。


 「新車が一台買える分ぐらいはいっているはずだ」


 中身を見た男は  喜んで たんていさんに バイクを譲り渡します。


 「これは今からあんたのものだ。好きにつかってくれ」


 たんていさんは そのバイクに シンデレラを乗せます。


 「かなり荒っぽい運転になるが、これしか方法がない。準備はいいか?」


 「はい……」


 シンデレラを 後ろに乗せ 自分に しっかりしがみ付かせると


 たんていさんは なんと 込んでいる車道を通らずに


 人道を 猛スピードで駆けて行きます。


 驚いたのは街の人です。


 すでに 夜も更けておりましたが 通りには 人が多く 商売している露店なども


 ありました。


 バイクの騒音を聞いた 人々は 慌てて バイクに道を譲っていきます。


 ひかれそうな人間も 何人かいましたが その度に たんていさんは


 素晴らしい運転で 回避します。


 その巧みな運転技術は 渋滞で止まっている車から


 賞賛されるほどのもので 退屈しのぎで ギャラリーまで


 集まり始めます。


 しかし たんていさんには そんなことはどうでもよく


 シンデレラを 城に送り届けることが 一番でした。


 そのシンデレラ本人は 周りの目よりも


 たんていさんの 背中にしがみ付いているのが とても嬉しかったりします。


 遠くのほうで 警察のサイレンがします。


 どうやら 誰かが 通報したようです。しかし 渋滞に阻まれた パトカーが


 バイクに追いつくことはできません。


 そして ようやく城の門まで 辿り着くのでした。


 続きはこちら→ 現代版シンデレラ(27)


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