坂本龍一、高橋幸宏。
20代でもかなりのめり込んで、わくわくしながら聴いていた。
しかし。
細野晴臣はだめだった。
20代では無理だったということなのか、何なのか。
『Medicine Compilation』を除いては。
YMO再生の頃だったと思う。
ところが30も過ぎた頃、特に『Medicine Compilation』以外でも、
相当にしっくり来るようになった。
突然の出来事のように感じた。
坂本、高橋のような陽的要素は相変わらずに無く、
どれを聴いても細野さんの顔が終始浮かんでしまう。
それに耐えることができるようになってから、
しっくり来るようになったような気がする。
先月、この『文福茶釜』を買った。
誤解をしていた。
ここでの細野さんと、細野さんの創る音楽が、
綺麗に重なってきた。
そして、楽しかった。
そんな“たぬき”な一冊を僕は喜んで読み終えた。