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NovelSoundsGateノベルサウンズゲート~おとくち~のブログ

「NovelSoundsGateノベルサウンズゲート~おとくち~」というプロジェクトについてのメモです。

8月3日
終わって数日してから、このブログを書いている。

とにかく、初日は暑かった。
予想以上の熱のこもり具合で、昨日の設営から続けて2日目なので、
暑さで頭はふらふらであった。
曲間のMCを自分がしゃべったのだが、何を話したか覚えていない。
しかし、何度も同じ事をしゃべった気がする。
とにかく、熱中症になるお客様がいらっしゃらなかった事が何よりだ。

会場には、
スポットクーラー1台
業務用扇風機 5台
家庭用扇風機 2台
うちわ 無料配布
氷嚢 無料配布
入口周りに氷を多量にばら撒く
を用意していたのだが、それでもとにかく暑かった。
(しかし、翌日は、これに工夫を加えて、涼しく改良した)

ビールがとにかく売れたし
会場前の自販機も全部売り切れになったほどであった。

お客様は、無料コンサート&瀬戸芸と同時期同区域の開催なので、
入れ替わり、立ち替わりであるが
おおよそ、250~300人程度の来場があった。

広島から聴きに来てくれた友達もいて、有難い事でした。

朝、コインランドリーで洗濯を終え、
コンビニに四国新聞を買いに行く。
かなり大きく、内容も的確に掲載してくださっており、
とても嬉しかった!!

朝飯は自炊で残り物をかっこむ。

インターネット経由で
会場のステージ順や、最後の「進行表」を、仲間に配布。

同時に、本日の打ち上げの、
最終参加者リストも制作。
(お店側から、料理の準備の関係で、人数をきちんと決めて欲しい、とリクエストがあったので)

朝10時頃から、先に現地入りしているチーム
増井、船田さん、平石さん、大本さん、五反田さん、の5人は
準備をスタートさせる。

初めての会場に、初めての機材を設置して、ライブをする訳だ。
モニターの返りを1つ1つ、確かめていかないといけない。
本来なら、膨大な時間がかかるはずなのだが・‥

今回のPAは経験豊富な船田さんなので、
ある程度の予測がついた上でセッティングをされていた。
それのために、
11時頃から音出しを始めて、リハをスタートできる状況になったのが、13時半。
素晴らしい仕事の早さだったと言える。
結論から書くが、公演の2日間、音響・PAは、下手なライブハウスよりも良い音響環境だった。
これは本当に船田さんに感謝と敬意を表したい。

13時半からリハをスタートさせ、
15時15分頃にライブがスタート。

トップバッターのウツツキ。
地元の商工会議所様より、ちょうさ太鼓をお借りし、
「ちょうさ祭り」をテーマにした曲を披露。
これは痺れた。素晴らしかった。
暑さと汗も、演出に一役買っていたのかもしれない。
ウツツキ曰く、「地元のおばちゃんに褒められました。興奮気味に「祭りを思い出した」と。何よりもうれしい一言です!」

2番手。
広島コンピュータ専門学校・音楽制作コースの、小林先生。
と、その元生徒の紫水さん。
紫水さんのヴォーカルと、堂々とした立ち振る舞いは、魅せるものがあった。
まるで和製ビョークか!? それとも菩薩!? 
テーマの雲辺寺の幻想的・幽幻的な雰囲気とバッチリ合っていた。
このテーマをふって良かった。
もちろんヴォーカルのインプットを含めて、全ての音を調和させた小林先生の仕事も見事であった。

続いて、hideride+藤翠
「豊浜八幡宮」をテーマに、重厚で重いエレクトロニカ・アンビエントを展開。
ちょうさ祭りを支える神様の、力強さと荘厳さ、荒々しさが表現されていた。

邂逅レーベルから、レーベルオーナーのtomoki takeuchi+期待の新鋭34423。
が、今回は34423は諸事情で欠席。
ソロプレイではあったけれど、バイオリンを使ったtomoki takeuchiのプレイは、この赤煉瓦倉庫の重厚な雰囲気と、熱気渦巻く空間に、ガッチリと嵌っていた。
また、tomoki takeuchiは、和泉正敏によるアートワーク「石積み」を持つ東京オペラシティの近くで暮らしており、長く身近に和泉作品と接してきた過程があるので、テーマとなった「和泉正敏作品群」のテクスチャーを見事に音楽の中に存在させていた。

本来はここで休憩を挟む予定だったが
時間が押していたので、ノンストップで次のミュージシャンへ。

エクスペリメンタルの隠れた新鋭 stabilo と、matryoshkaのヴォーカリストCaluによる、初めてのコラボレーション。
この2者の融合は、どのような音楽へと発展するのかとドキドキしていた。
普段のmatryoshkaやstabiloのような暗くて重厚、エッジの利いた音による表現かと想像していたのだが、良い意味で期待を裏切られ、明るく、開かれた音楽がそこには存在していた。
観音寺市全域を見守る琴弾山と琴弾天満宮。喉から琴を鳴らす天女が、琴弾山に降り立ったようであった。

そして、moshimoss。
新作『endless endings』のツアーも好評の中での、香川県観音寺市入り。観音寺市在住の音楽好きのリスナーによれば「ここが本当に観音寺市!?」というほど、いつのまにかお客も集まっていた。
一歩外に出れば、詫びた古い街並みと静寂と宵闇が佇むのに、かまぼこ倉庫の中では音のさざ波と渦巻く熱気が溢れていて、これは本当にもう、体験した人にしか解らない感動であったと思う。
3日のクライマックスを飾るに相応しいテーマで、地元観光協会のパンフレットの表紙も飾る「有明浜(燧灘)の夕日」。 VJによる映像で、かまぼこ倉庫の壁面に沈んでゆく真っ赤な夕日と、moshimossの海に溶け落ちてゆく夕日を表現するようなサウンドワークは、視覚と聴覚を奪い去って麻痺させるかのような感動であった。

3日の最後は、Flower Triangle+江口智恵(no;ches)が〆てくれた。
俳祖・山崎宗鑑が、当然ながら、当時電気も無かった宵闇の中で、一夜庵の縁側に腰掛け月明かりを眺めながら句によって世界を徘徊(俳諧)した、そういうイメージが拡がり、熱さのあるヴォーカルとは対照的に、場の空気は露を含んで地に涼しさを齎したようであった。 そう、気付けば外はもう夜で、虫の声が涼しく響いていたのであった。



それから、各アーティストの機材撤収と、
スタッフによる片付け。
打ち上げ会場のすし松に入ったのは22時になろうかという時であった。
すし松さん、観音寺の美味しい魚介をたくさん用意してくださっていた。
ありがとうございます。
会計を段取りしてくれた、平石さん、大本さんには、最後まで働いていただいて、本当に感謝であった。

打ち上げの最中に、どしゃ降りと雷。
今日の熱気が嘘みたいに、一気に涼しくなった。
それとも今日の熱気が空に上がって雷雨を呼んだのか。

0時を過ぎる頃、それぞれの宿泊場所に帰る。
僕のお借りしている家には、
広島コンピュータ専門学校の先生・生徒さん、
山口勢(ウツツキ・little phrase)、それから僕の友人が雑魚寝したんだが
当然、すぐにそのまま眠れる訳もなく
しばし酒を酌み交わしながら、一人、また一人と沈没していったのであった。

そして、朝は誰よりも早く起きて、
現場に向かうのであった。
4日に続く。