4日は、前日にあれほど疲れて、お酒も飲んだのに、
それでも自然に朝早くに目が覚めた。 多分5時くらい。
昨夜、一緒に泊まったミュージシャン達は、
あくまで出演の演奏者であり、準備スタッフではないので、
(もちろん、好意で少し手伝ってくれたりはしたけど)
今日4日は、彼らは観音寺市や伊吹島を観光して楽しむつもりなので、
ここにいる人間の中で、スタッフとして動けるのは、僕だけなのだ。
もちろん、別の場所で宿泊している、
船田さん、平石さん、大本さん、五反田さんは
準備を手伝ってくださるチームメイトではあるが
それだけに、ギリギリまで体を休めて欲しい。
朝飯を食べて、シャワーを浴び、
8時くらいに、一度かまぼこ倉庫へ。
まだ昨日の熱気が残ってる暑さがある。
とりあえず、扇風機とスポットクーラーを早い時間から稼働させておくのだ。
天井が高いので、上部に暑い空気が溜まっている。
開演後はお客様に扇風機を向けるから、上空の空気をかき混ぜる事ができずに、
結果、中空に暑さが貯まるんだな。
とゆーわけで、今なら扇風機を上に向けて、溜まった熱をかき出す事が出来る。
それから、会場内の床に散乱しているゴミの回収。
それと、外の道路に、打ち水をする。
少しは違うだろうと思って。 これは確かに効果があった気がする。
しかし、打ち水しても、打ち水しても、すぐに蒸発してしまうのは、やっぱりすごい(笑)
30分~1時間に1回くらいの頻度で、たびたび打ち水をした。
10時半くらいから、ぼちぼち、本日のミュージシャンさんが集まってくる。
最初に木箱さんが来てくださったのは、かなり良かった。
メンバーの西村さんがPAもされている方なので、本日のPAを助けていただく約束をしていたからだ。
全体PAの船田さんの来場を待たず、西村さんが中心となって先行でリハを進める事が出来、そこでだいぶ余裕ができました。西村さん、ありがとう。
昨日は、初めての環境での音出しであったが、
本日は、既に機材や音の具合も解っているので、わりかしスムーズに準備が進んだ。
お昼は、DJまほうつかい、西島大介さんと、
ゆり にてうどんを食べる。
西島さんには大海老天うどんを薦めて、俺はカレーうどん
http://tabelog.com/kagawa/A3703/A370301/37000921/
昨日もそうだが、
氷嚢用の氷は、会場を貸してくださっている山地蒲鉾さんが
ご厚意で無償で用意してくださっている。
瀬戸芸の本部から、ヘルプスタッフさんが一人派遣され、
(三豊市役所の倉本さん)
倉本さん、平石さん、大本さんの3人で、
本日の氷嚢作りを助けてもらう。(昨日もこのメンバーで全員分の氷嚢を作ってくれた)
今日は、アイディアで、
氷をぎっしり詰めた発泡スチロールの箱を
会場の客席内にいくつか配置した。
場所によっては、扇風機と組み合わせて、氷の上を風が通るようにした。
これらの工夫で、
昨日の熱さが嘘のように、4日は涼しく過ごせた。
それが証拠に、昨日は飛ぶほど売れた生ビールが、今日はそこまで売れない(笑)
それでも4日だけが初体験の人にとっては、これでも暑かったんだろうな、と思う。
北海道からいらした木箱さんは温度差に参っていたようだ。
さて、本日も開演です。
まずは、地元香川枠から、Ajiro。「それではお願いします!」って、あれ!?いないじゃん!!どこ!? ってあせってたら、会場の外から、バグパイプとアコーディオンを弾きながらの入場! 会場から巻き起こる拍手。 開演スタートの時刻、昼下がりの15時の空気に似合っていて、会場の空気は一気に柔らかくなりました。
真っ白なシャツを着た涼しげなAjiroの2人。豊浜のLAと呼ばれる、イサム・ノグチの遊具と自然が融合した一の宮公園を、まるでそこで演奏しているかのように、夏の似合う音楽で表現してくれました。
続いて、北海道からの木箱。
普段はヴォーカルソングの多い木箱ですが、テーマとなる「麹」を表現する上で、具体的な「歌」は控えて「声」をメインに、麹を表現してくれました。 皇太子神社のある麹の町「室本町」から生麹を北海道まで取り寄せて、甘酒を作りながら、曲作りのイメージを沸かせたそうです。ふつふつと沸く麹のイメージが、曲や雰囲気に表れてたと思う。曲に合わせて、空気中の菌達が「かもすぞ!」って騒いでいそうだった。
夢中夢のヴォーカル・Hatis Noitと、Aureoleのフロントマン・森大地によるmagdala。
今回は3ステージを用意して、それぞれの舞台を組み合わせて使いながら各ミュージシャンの演奏を進行してきたのだが、magdalaのステージは彼女達の用意された小物達で、ミニチュアの舞台のように彩られていた。
そこに立っているだけで存在感のあるヴォーカル・Hatis Noitが夢遊感のあるヴォーカルで囁きなのか歌声なのか、夢幻の世界に誘ってゆく。
彼女達のテーマとした「讃岐三白 綿」はつまり布団の材料であって、この地方では寝具産業が盛んである。 香川はHatis Noitの祖父と縁のある土地でもあるそうで、それだけに想い入れも深いのだろう。 柔らかい綿にくるまれてHatis Noitに添い寝されているような錯覚に惑わされた。あるいは広島の自宅に置いてきた2歳の息子に早く再会して抱きしめたい感情を揺さぶられた。
DJまほうつかいは、観音寺市の人々と最も近い距離に立って、今回の音楽を制作したと言えるだろう。
サンプリングした観音寺の中高生、それから豊浜の子ども達の声を再生しながら、地元の子ども達とピアノをツールに語り合うように、セッションをしていた。
DJまほうつかいのピアノが「今日は何食べた?」「観音寺のどこが好き?」と子ども達に問いかけていく。それに笑いながら答える子ども達。僕が現地で何度も経験していた、いつもの観音寺の人懐っこい子ども達とのやり取りが、ここに再現されていたのは、見事という他に無かった。
なお、豊浜での子ども達の声のレコーディングでは、ドイツ・ベルリンで活動する豊浜出身のアーティスト・usaginingenがご協力くださった。
京都精華大学の若干19歳の学生による、笑う環境音楽。顔見せもせず言葉もしゃべらないユニークな演出が、神と密接したテーマである伊吹八幡神社に嵌っていた。黒く重いアンビエントは、伊吹の海を司る八幡様が指揮棒を振るっているようでもあり、それに合わせて、波の音やノイズが縦横無尽に海に黒い絵を描いた。 その黒い絵は、スイミーのようにカタクチイワシの魚群であった。
大トリは、今回の公演全体の音響監督を務めた、北川フラム氏のアートフロントのアーティスト・船田奇岑と、京都精華大学ポピュラーカルチャー学部のRAKASU PROJECT.と西田彩の3人によるIpso facto。 東京練馬区立美術館、京都国立近代美術館、広島県立美術館などでコンサートを開催してきた無機と有機を音の向こうに繋ぐインスタレーション的な空間即興音楽は、アンビエンスでノイジー。 VJ・filmoutの演出する、雷雨の中に乱立し、どこまでも続く観音寺の松原の風景と、会場の煤けた赤煉瓦の土の質感、そしてこもった熱い空気と全てが混沌と融解して、私は、室内にいるのに、台風に覆われた観音寺松原に遭難していた。 不安に襲われながらも、この気持ち良さがどこまでも続いて欲しい・‥と思っていた。 終幕。
頭の芯がじんわりと痺れていて、しばらくはポーッとしていた。
打ち上げは昨日と打って変わって少人数。
船田さん、落先生、西田先生、生徒の梶くん。
木箱のお二人。nm records修平くん。
うららおとくちの仲間、有希くんと全くん。
うららおとくち松岡リーダーと、観光協会の藤田あきさん、
割烹よしやさんで飲みました。
生鯖の刺身が出るところがすごい。
http://tabelog.com/kagawa/A3703/A370301/37002115/
皆飲んでいたけど、僕が一番早く打ち上げ会場を後にした。
0時過ぎくらいかな。
頭はずっと痺れていた。
別れる前に、修平くんと抱きしめあった。
観音寺でやって良かったと思った。
宿泊場所に戻ってからは、シャワーも浴びずに倒れるように眠りについた。