うつろひ…と云えば、ソロ5枚目のアルバムで、
タイトルが初めて漢字3文字でなく平仮名だ…と、
一部マニアにしか理解からない話は放っておいて。
(服部克久先生ゴメンナサイ)
薄暗い今にも泣き出しそうな空模様の下。
他に行く所も思い付かないので、金川の森へやって来た。
樹の根元にべっ甲色の蜂か虻…顔は蝿だな。
始めに見た時はスズメバチかと思い少しビビったが。
目が慣れてくると、そこら中に居るじゃないの。
調べたら見たまんまのベッコウバエであった。私が命名しても、そう付けるだろう。
木通の実は色付く前にスッカラカン。
そこへシジュウカラが翔んで来たが、
薄暗い上に素早くて、しかも葉が茂っていて、鳥見には向かないシチュエーション。
続いて枝を揺らしたのは、シルエットしか見えんが、
今日は運動がてら、金川の森の南北端から端えを、
いつもの散歩コースの3倍の距離になるが歩こうと存ずる。
目的の一つはあの多肉植物の花を観ること。
もう一つは…ぉ鳴き声がする。
ジョウビタキ来ていた〜ッ。
いらっしゃ〜い。いやお帰りだろうか。どっちにしても嬉しい。
到着したばかりは、落ち着きがないけど、それは仕方ない。
ジョウビタキを見送って、ふと足元に目を落とすと、あらカタツムリだ。
カタツムリが角出してるってことは、暑くもなく寒くもないってことだろう。
キジの声が河原から聞こえる。姿は見えない。
あ〜飛んだ…そんな所に居たのか。カメラ構える暇もなかった。
わぁ〜キノコボコボコ生えとる。
裏返したら薄いピンク…ウスキモリノカサかなぁ。
おぉ。コッチにはテングタケだ。
う〜ん。これ、絵本に載せたい。
再びジョウビの声がしたので、駆け寄っていくと、
2羽が縄張り争いをしていた。1羽しか撮れなかったけど。
水場に行ったら鶺鴒いるかな。
お〜キセキレイが滑るように飛んでいく。
カワラヒワが5〜6羽、葦の中で寛いでいる。見えているのは見張りかな。
熟れた烏瓜が風に揺れている。
ん。この花なんだろう。葉はアサガオみたいだな。
あ〜〜〜キジが、キジが路に立ってる。
えっ。見えない…ソコソコ。
さっき河原を飛んでた奴に違いない。
ヨシ。大きく迂回して背後に回ろう。
ありゃあぁ〜遅かったか。
まぁ、これから何度も会えるでしょ。
それじゃ、もう一つの目的に逢いにいきましょ。
アレは場所は決まってるし、逃げないし、安心。
でも、これがまたなかなか見つからぬ。毎年この辺に出てるのになぁ。
やっぱり、暑いから遅れているのか…ぁあ在った。
例年より少ないけど咲いていた。
ツメレンゲ。
でも、チッさ。やっぱり遅れているんだろな。
おぉ…斜面下の方にも出てるが、こりゃ近づけないや。
ズームして撮っとくか。
これで目的は達したので、真っ直ぐ戻ろう。
一応ポイントは抑えておくけど…やっぱりスズメバチしかおらんね。
念には念を入れて、まさかとは想うが、前回(10日前)にクワガタが居た場所を覗いてみよう。
アンレマァ。コラビックリ。オッタマゲタ。
この前の奴だよなぁ。キット。ヨタヨタと力無く幹を登って、
ポトリと転げ落ちた。
何故に、あんないい場所に居たのに。こんな所に居るのか。
理由は直ぐ分かった。
画像右上を見たまえ。
追い払われちゃったんだね。それでも、もうひと頑張りするのかい。
来年、君の子供と会えると良いな。
嗚呼、モズが鳴いている。
おっと。眼の前に雌のジョウビタキ。残念顔に枝が被った。
シーズン始めにはよくあることだが、愛しいジョビ娘さんつれないなぁ。
しかし、暑い暑いと思っていたら、急に涼しさを通り越して肌寒くなった。
ツマグロヒョウモンもふらふらしている。
秋はアッと言う間に過ぎ去り、
もう晩秋なのって、そりゃ無いでしょ。
容赦なく季節は、うつろう。
赤トンボやヒメアカタテハも10日前と同じ奴かしら。
おっと、コッチにも白い花の蔦草があった。
帰って調べたら、どうも、北アメリカ原産のマメアサガオのようだ。
ううむ。やはり、金川の森はスッカリ外来種に乗っ取られてしまったみたいだ。
あ…今に始まったことじゃないか。
季節のうつろひが、増々虚しく感じる。