資本主義経済の勝者が、平等でいきわたる社会を「全体主義」と呼ぶことがあります。「全体主義(totalism)」の語源は、ナチスや大日本帝国、イタリアのファシスト党などによる人間の管理、少数者の抑圧を指すのだと思いますが、その人は「社会主義(共産主義)」=「全体主義」と考えるのかもしれません。しかし、その人が勝負をしている資本主義社会が極端に肥大したために、今やそれが「全体主義」を行っております。公平な社会を批判するために、自分が依拠する体制が行っている行為を、自分が嫌いな対象に反映しているのです。
スターリンが行った抑圧を持ち出して、共産主義の正体は「全体主義」だ、という認識が定着しているかもしれません。私は共産主義の思想は、搾取される人間が社会を通じて本来の自分を回復するためのもの、というように考えておりますが、スターリンやある自称共産主義者は過ちを犯しました。
一方で発達した資本主義国では、社会主義の影響のもとで労働者の権利が確立されていきました。
ソビエトが存在したことが、資本主義国の労働者の立場を守ってきた側面があります(*)。ソ連が崩壊した後は、労働者の立場は弱くなり、貧富の格差が広がりました。社会が機能不全に陥り公共性が破壊されています。資本主義を乗り越えて社会を立て直す必要があります。私たちの社会のことを考えることは、それを社会主義と言わなくてもごく当たり前のことです。社会を考えることはすなわち人間を考えることと等しいくらいです。先人に学んでこれからのため生かしたいと思います。
(*) 白井聡氏に拠ります。こちらの番組で述べられていました: