戦うと決めたあなたに、知っておいてほしい。

術後での、″身体との向き合い方″。

一概に全てがこうです!という内容ではありませんが、一般的な予測事項を事前に知っておくことも大切かと思います。

  0. 術後、最初に発する体のサイン

:術後の発熱

術後の発熱は、身体が″戦っている″ことを示す最初のイベント。
侵襲熱・吸収熱は、身体が傷を修復し、異物を処理し、炎症をコントロールしようとする自然な反応。


侵襲熱(しんしゅうねつ)術後〜48時間

侵襲熱 は、手術という大きな“侵襲=身体へのダメージ”に対して、身体が反応して起こる熱。
  • 手術によって組織が傷つく
  • 身体が炎症反応を起こす
  • 炎症をコントロールする為に体温が上がる

吸収熱(きゅうしゅうねつ)術後1〜3日後

吸収熱 は、手術でできた傷や炎症の“後片づけ”を身体が始めたときに出る熱。
  • 傷ついた組織の破片を身体が吸収する
  • 血液やリンパがその処理を進める
  • その過程で体温が上がる

:身体の初期症状

 ①手術直後の体温の上昇(侵襲熱/吸収熱)
 ②体が熱を持つ感覚
 ③だるさ、重さ、眠気
 ④ “悪い熱”ではなく“治す為の熱”

※主治医や看護師さんの説明をよく聞く。
※違和感や疑問があれば随時質問する。
 →コミュニケーションが治癒速度アップの分岐点

  1.身体の″静けさ″と睡眠の変化

発熱のあとに訪れるのが、身体の静けさ。
眠りが深くなったり浅くなったり、眠気が強く出たりする。
  • ① 発熱で体力が奪われる
  • ② 眠ることで身体が修復を進める
  • ③ 眠れない夜の不安
  • ④ 眠れる日は“身体が働いている日”
発熱の流れから自然に睡眠へ繋がります。

  2.身体を起こすという″最初の挑戦″

発熱と睡眠で体力が落ちた身体を、初めて起こす瞬間。

① ベッドから起き上がるだけで息が上がる
② 目の視線の高さに驚く
③ 一歩が重い
④ 看護師さんの支えが心に残る
⑤ 歩けた日が“自分を取り戻す日”

身体が活動する信号を送ることにより、基礎体力を取り戻そうと治癒力が高くなる。
  • 横になる時間を少しづつ短く。
  • 立つ時間を少しづつ増やす。
  • 歩くことで脳と体内に信号を送る。

  3.身体の機能を取り戻す試練:排

導尿後の排尿は、身体の機能が戻るかどうかを確かめる大きなイベント。
(排便は、術前に薬で排便させ綺麗にするので割愛)

① 出るかどうかの緊張
② 出ないときの焦り
③ 出たときの安堵
④ 身体が“戻ってきた”感覚

 導尿(カテーテル)をやめた後に、自力での排尿が難しくなることは珍しくありません。
 その原因は大きく分けて「脳の指令(神経)」と「筋肉の衰え(サボり)」の2つがあります。
焦らずに時間をかけて。
自分は、トイレにて、立ったり便座に座ったりを繰り返しし、下腹部に刺激を与えながら排尿していました。少しづつですが、勢いよく出てくるようになりました。

  4.シャワー浴で感じる″心の輪郭″

シャワー浴は、身体と心をつなぐ。
あてて洗い流すということに、心まで洗われることを体験すると思う。これまで当たり前だったことも、入院や術後で止められていたことで、大切なことであることを思い知る。

① 傷跡に触れる怖さ
② 水流であてる怖さ
③ 流れる水流に身体が軽くなる感覚
④ 清潔になることで心が整う

  5.食事という″生きる力″の回復

食べることは、身体が回復している証。
内臓の手術後では低脂肪の食事となり、術後すぐは流動食(スープ的なもの)から始まる。
  1. 重湯(流動食) 
  2. 三分粥(ほとんど汁気で少量の粒)
  3. 五分粥(お粥と汁が半分ずつ)
  4. 全粥(通常のお粥)
  5. 常食(米飯)
※病院によっては、最新の術後管理(ERASなど)に基づき、重湯を挟まずに最初から三分粥や五分粥からスタートするケースもあるそうです。
  • ① 重湯の温かさが身体に染みる
  • ② 一口が大きな前進
  • ③ 食べられない日もある
  • ④ 食事が“生きる力”を取り戻す行為になる
食事を摂ることで、消化系での手術後まもなくの排便は、黒色の便になるかと思います。術中の少量の出血などが消化されて便に混ざる為です。
基本は、数日程度で改善することが多いですが、続くようであれば医師や看護師にご相談を。

身体との向き合い方


0.熱が出る(身体が戦い始める)


1.眠る(身体が修復を進める)


2.起きる(身体が動き始める)


3. 排尿する(機能が戻る)


4. シャワー入浴する(心の輪郭)


5. 食べる(生きる力が戻る)

これまでの日常でも、何気なくこなしてきたこと。身体が取り戻そうとしていること。

時間の感覚が長く感じることかと思いますが、とても大切なことです。

″時間は薬💊″


本当にその通りだなと身を以て体験しました。
どうか、焦らずに。





  「手術成功=元の体に戻った」

という誤解


  「退院=もう100%元通り」

という誤解


  「出社し働いているから治った」

という誤解


手術が成功した瞬間。

退院の日。

職場に戻った初日。


そのたびに、周囲は安心する。

「よかったね!」

「もう大丈夫だね」

と。


しかしその周りの言葉は、

戦うあなたの現実とは、

しばしばズレが発生している。


現代社会には、悪意のない誤解がある。


「治療が終わった=元通り」

「退院した=100%回復」

「働いている=もう治っている」


この“どこか集団的な誤認識”が、

静かに人を追い詰めている。


なぜ誤解が生まれるのか。


🩺 医療成功と「生活回復」は別物

医療現場で言う「手術が成功した」は、

生命の危機を脱した、合併症が起きなかった、

という医学的評価にすぎない。

そこには「元の生活に戻れる」という保証は

含まれていない。

術後の痛み、体力の低下、後遺症、再発への不安

──これらは“成功”の外側にある。


🏥 退院は「通院での治療を続けられる」という意味

退院はゴールではない。

治療のフェーズが変わっただけだ。

病院での管理が不要になっただけで、

体調が安定したわけではない。

むしろ、通院・服薬・リハビリ・生活制限など、

負担は増えることすらある。


💼 出社は「働ける状態」ではなく「働かざるを得ない状態」

日本では、休職制度の限界や職場の空気、経済的事情から、完全に回復していなくても職場に戻る人が多い。

「働いている=治っている」という誤解は、

本人の努力と苦痛を見えなくする。



  社会風刺としての核心


🔍 “見えない苦しみ”を不可視化する社会構造


周囲が「元通り」と認識した瞬間、本人は説明の義務を背負う。


「まだ痛むんだよ」

「実は体力が戻っていなくて」

「薬の副作用があって」


こうした説明を毎回するには重すぎる。

結果として沈黙が選ばれ、誤解が固定化される。


🔄 悪意なき誤解が、制度と文化に組み込まれていく


病気や手術は、本人の人生に長く影響する。


それを「元通り」と決めつけるのは、

社会の都合でしかない。


必要なのは、

回復のグラデーションを理解する視点だ。


「治ったように見える人」ではなく、「治りながら生きている人」として見ること。


上記の言葉。

是非大切な人に見せてほしい。


全ての人に知ってもらうよりも、

あなたが、知ってほしい人に伝える。

それがとても大切。


友達も仲間も、沢山でなくて良い。


心から大切な人や友人。

知っておいてほしい人がよい。


希少がん″膵神経内分泌腫瘍″


2024年3月3日に膵中央切除術式を行い、

一年半経ちました。


先週9月2日に行った、

CT造影および採血の結果が出まして、

一週間後の9月9日の本日、

結果を聞きに行きました。


″転移・所見なし″


半年間の時間を⏳また頂くことができました。

大切に過ごしていきたいと思います。


更に主治医より減薬の言付けも頂きました。


🧑‍⚕️「採血での膵臓による項目の値を見ますと、

  前回同様、消化の役目は充分に機能してます。

  今回から補助薬でしたリパクレオンに関して、

  終わりにしましょう。」


ポーン「ぇっ・・・。」


止められると、湧き起こる不安感。


まだ残り2ヶ月分ぐらいは残ってはいるのですが、

食べ過ぎや、脂質が多い食事でいざというときに、

飲む方向になりますが、事実上の減薬💊。


過信することなく過ごしていきたい。

P-NETは、大小関係なく転移する時は転移する。

大切に過ごしたい。

あっという間に過ぎる一日でも。


🧑‍⚕️「あと…検査を毎回する毎に、少しづつ

  中性脂肪が増えているので気をつけて。」


滝汗(ドキッ‼️)



以下、別件のお話。



実は、坂本図書に行ってきました。


坂本図書とは、坂本龍一さんが自身の蔵書を「文化資本」として共有するために構想した私設図書館/出版レーベルとなり、2017年の構想か、2023年に一般社団法人として本格的に運営した図書館です。


坂本龍一さんが生前読み、所蔵していた膨大な本(約1万冊)を選書できます。


完全予約制の図書空間となります。

「2023年9月24日、都内某所に開館。」


場所は完全に非公開。

「毎月28日正午にSNSで予約受付」

参加するにあたり、条件やルールがあります。




本当に至極な体験と、ひととなりに触れた素敵な時間でした。


「この人は何を大切にしてきたのか」


「どんな世界を見てきたのか」


その断片に触れられたことへの喜びを、本を通して感じてきました。


坂本図書の静かなポリシー。

・場所は非公開であること。

・宣伝をしないこと。

・そして、本棚が語り、訪れた人が

 それぞれの形で受け取ることを大切にすること。


「本は、読まれるために置かれるのではなく、必要な人に届くために置かれるべきだ」

「場所よりも、そこに流れる時間の質が大事だ」

そうした考え方が、図書室全体に静かに息づいている。


坂本龍一さんも、癌と戦ってきたサバイバー。


人となりを感じさせる″″自然治療″や″ビーガンに関する本″や、漫画や″禁煙の本″などもありました。


音楽に特化はしておらず、アートや原発や歴史などの本が多かったのも、印象的でした。


何冊か様々な本を捲り、

最後に読んでしまっていたのは、

″死に関する本″でした。






こちらの本に関しては、次回またゆっくりと書かせて頂きます。

 

  病を知ったときの"負のこころ"

 

「何故…自分だけが…。」

「まさか…わたしが…。」
「乱れた生活もせずに過ごしているのに…。」

「たばこか、酒か、いやいや、それとも…。」
「…死ぬのかな…死ぬかもしれない。」


病が判明した際、

入院手術を通達された時、
入院中での眠れない夜の時。
検査前、検査中、検査後。

沸き起こるその”不安”と”葛藤”は、

至極自然なもの。

その”不安”は自問自答しながら”誇大化”していき、現実社会の中、不安を抱えた孤独感が、重たくのしかかってきます。

 



自分も同じでした。



そしてそれは下記の行動に移りました。

 

知りたいけど聞けない事はAIに何度も投げかけ、Google検索にて、安心な情報を闇雲に探す反面、最悪な想定も引き、また検索をして探す。

 

「安心」と「真実」を探し続けても、インターネットに絶対大丈夫という言葉は落ちていません。

探せば探すほど、最悪なケースというキーワードに徐々に接近していることに気付きました。

 

家族に話しても「分かっていない…」と苛立つ。

会社の同僚に話した所で気を遣わせ、答えはない。

医師は「検査してから決めましょう」と言われる。

 

そして誰にも話せなくなる。

不眠になり怒りやすくなる。

 



それはアッという間に、

【負の感情を育てる永久機関】となってしまい、”鬱という闇”に潜り込んでしまいます。

 

 


  戦う前の準備

 

自身の経験から病と戦うことでの、

今思えば大切だったと思える【みっつのこと】を記載します。

 

 

 ひとつめ

ひとつめは、病に係わる準備をしてくれる方々を

”自身のチームだと思えること”

戦う事や治療は“あなた+医療者”の共同作業であり、あなたはその中心にいる。


あなたは一人じゃない。


そしてさらにあなたの回復を願う”家族と友人”もチームです。

 

ネットの情報、自身だけの頭脳の中だけでは、

何も解決に至らないのです。

 

・主体性が生まれる

「治療される側」から「治療を進めるチームの中心」への意識。

質問や希望を伝えたり、納得して選択しやすくなります。

 

・孤独感が減る

「自分のチーム」と思えると、精神的な負担は軽くなります。

専門なことは専門の方に任せることです。

 

・治療への納得感・安心感が増す

自分のために動いてくれている人たちだと実感できると、 

不安や疑問が減り、治療に前向きになれます。

 

・上記を総合して回復力が高まる(心理的効果)

あなたの前向きさや安心感が回復に影響します。

 チーム意識はその土台となるのです。

 

 

 ふたつめ

ふたつめに、あなたがやるべきこと。

”手術に耐えられる身体基軸をつくること”

 

手術の技術やケアは医療者が担いますが、
あなたの身体の状態そのものは、あなたにしか準備できない。

体力・呼吸機能・循環機能などの“基礎体力”が高いほど、手術中の負担が減り、合併症のリスクも下がると言われています。


自分は開腹手術でしたが、内臓脂肪を可能な限り減らす=体重を減らす

という部分が、主治医からの要望でした。


無理なダイエットを行ったわけではありません。


食事のカロリーを朝昼晩と決め、朝にランニングをし、夜のお風呂の前には、TANITAの体重計で計りました。3か月で➖5kgを達成しました。

 

食事も和食中心にし、キウイやブロッコリーやキノコ類も小鉢で摂取し、便通を良くするように心がけました。

 

 

 みっつめ

みっつめに

"無理に不安を消さないこと"

 

不安も恐怖もあって当然です。「感じてはいけないもの」として押し込めないでください。

大切なのは『正しい向き合い方』なのです。


不安は悪者でもありません。

実は、治療に向き合う為の大切な情報源なのです。


その不安という情報源を持って向き合ことを教えてくれる、

"患者会"や"セミナー"に参加しましょう。

少し言葉が乱暴に聞こえたら申し訳ないのですが、
あなたの不安は同じ病気・同じ治療を経験した人の、言葉でしか解けない部分が沢山あるのです。

これは医療者でもAIでも埋められない領域なんです。

インターネットやAIは…
何かヒントはあるかもしれませんが、ほどほどにしましょうグラサンハート

 

 

 

  まとめ

不安を消すのではなく、正しく扱うことが鍵だと思いました。


そのためには、同じ経験を持つ人たちとつながることが最も効果的だと思います。


ネットやAIだけに頼るのではなく、人の経験に触れることで、あなたの心が手術に向かう準備を整えていきます。

 

そして情報だけではなく、あなたがチームの中心として「未来は大丈夫だよ」というスローガンを掲げ、病や手術に立ち向かうための、こころと体を用意しましょう。


僕は、あなたの顔も知りません。

どんな声なのかも知らない。


それでも、病と向き合うあなたを、

遠くから本気で支えたいと思います。


僕も、戦うあなたのチームの一員になれれば…

そう思います。