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いえいえ、私なんぞが作詞をするわけではありません;;
この本、「入門」と銘打っているものの内容は、詞に対する考え方、歌手の売り出し方、時代の読み方、それらの実践例が綴られ、阿久悠さんの仕事哲学、生き様を汲み取るべきドキュメンタリーのような本であります。
阿久先生、冒頭から「入門書なんて読んだところで作詞家にはなれない」と厳しいお言葉;;
読む者にパンチを食らわしておいて持論に引きずり込むのも阿久流マーケティングか?
もちろん作詞の技術・ノウハウも書かれているので、作詞家志望の人は読む価値あり。
歌謡曲ヲタの私は、当時の制作現場の空気感が伝わって来て面白かった。
「歌詞は文学ではない。商品だ」 とか 「良いものを作るより、売れるものを作る」 とも言い切っておられ、数々のヒット曲の裏に綿密な広告戦略・商品戦略が練られていたことをうかがわせる。
そういえば阿久悠さん、糸井重里さん、売野雅勇さん、三浦徳子さん、以上の先生方は皆、広告業界ご出身。
メディアミックスの手法が発達・成熟してゆく時代。
文才とマーケティング力との両方を兼ね備えた作詞家たちが、短納期・大量生産という激務をこなしたのであります。その作品たちがキラ星のごとく昭和歌謡曲に彩りを添えているのですね。