たかが500円、されど500円。
かれこれ50年前の学生時代の話。
当時高校2年生の私は休憩時間に廊下で友達と雑談をしておりました。
ふと、足元を見ると小さく畳まれた500円札が・・・落ちているではありませんか!
友人と雑談しながら上靴でその500円札を踏んで隠し、その後ゆっくりと手に取り、
どうするべきかを考えました。
頭の中で、自分のものにしてしまえという悪魔と、
すぐに職員室に行き担任に届けるべきだという天使とが交錯し
結局天使が打ち勝ち、その勢いで職員室の担任に
「これが落ちていましたので届けにきました」 と言い放ち
偽善行為の余韻に浸りながら教室に戻ったのです。
午前の授業が終わり昼食時間になり、今日はパンを買って食べるように
親から500円札を貰ったことを思い出したのと同時に、先程届けた500円札が
脳裏を駆け巡りました。慌ててポケットに手を入れましたが500円札はあるわけがありません。
そう、自分で落とした500円札を自分で見つけ一人ドキドキしながらその500円札を
どうするべきか悩み人の手に渡してしまったのです。
そして偽善者の余韻に浸りまくっていたのです。(恥ずかしー!!)
その日はその500円札しかお金がなく、このままではパンは買えません。
考えに考えた末に、仲の良い仲間ではなく、話はよくするが
日頃あまり付き合いのないクラスメートに頭を下げ、500円札を落としたものになってもらい
職員室の担任のところへ行ってもらいました。
いつもの仲間に頼むとこのしくじり行為があっという間に広まるのを恐れた私の
土壇場での考えた対策でした。
その後、パンを余分に買いその救世主にお礼として渡したのは言うまでもありません。
幸い、この話は取りに行ってくれた斎藤君と私しか知らないまま卒業まですごしました。
当時の500円というと今の1000円くらいの値打ちがありましたので高校生の私には
大事なお金であり、たぶん2~3日分の昼食代として親からもらったと思います。
今では笑い話で話せますが、当時は真剣に悩んだ青春の1ページです。
しくじりと言えば真っ先に思いだしましたので記事にさせていただきました。
では、また・・・。