12月10日・・・「皆様へ」 | そうちゃん日記 

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聡太郎は生後10ヶ月で拡張型心筋症と突然診断されました。
海外での心臓移植手術を目指した日々。しかし、移植手術を受ける事は出来ませんでした。
経験しなければ伝えられないことがあることを感じ、聡太郎の残した何かを伝えられたらと思います。

「皆様へ」
アメリカ現地時間の12月10日、朝の9時前から聡太郎の様子が変化し、懸命な治療をして頂きました。しかし、蘇生処置から1時間以上が経っても、心拍の機能が回復せず、9時50分に天国へと旅立ちました。
聡太郎と共に頑張らせて頂くことが出来ましたことを、皆様に心から感謝申し上げます。
今の時点でご報告できることをお伝えさせて頂きます。
聡太郎は最後まで希望を持って治療を受ける事が出来ました。
前日には、移植待機リストのステータスⅠA(最高上位)に登録されました。
脳外科の先生からも2週間待てば、移植が可能であろうと判断されてのことでした。
笑顔も見せてくれていましたが、心臓の機能はギリギリの状態でした。
聡太郎がいつも笑顔を見せてくれていたからこそ、頑張ってこれました。
皆様からの応援のおかげで、聡太郎は最高の頑張り屋さんでいられました。
今度は私たちが、この心の痛みを乗り越えるために頑張る時だと受け止めております。
私たちにとって、聡太郎の移植への希望が心の支えでした。この希望なくして、これまでの6ヶ月はあり得ませんでした。このような結果となってしまいましたが、これまで聡太郎の未来と希望への道を与えて下さいましたことに感謝しきれない思いでおります。
今まで、心臓移植を検討してから、臓器の提供を受けるということがどのようなことなのかを私たちなりに真剣に考え、受け止めようとしてきました。ドナーの方からの提供を待つ私たちでしたが、最後に希望を託したのは聡太郎の角膜が提供され、どこかの地で同じ空を見つめることが出来ればと願いましたが、残念ながら叶いませんでした。聡太郎の疾患では、角膜と心臓の弁の提供が可能であるそうです。しかし、聡太郎の場合、心臓の弁の提供は機能状態から難しく、角膜も共に提供できないと判断されました。
日本では法律の問題や資金の問題など、小児の移植を取り巻く環境は厳しい現実にあります。
これからは法律や移植医療だけでなく、再生医療や心筋症の治療法の研究などを含めた進歩を望むばかりです。
まだ、理性と気持ちとが混乱していて、以上のような内容しかお伝えできない事をお許し下さい。
聡太郎を日本に連れて帰ります。日程は調整をさせて頂いております。
また、ご報告が出来ることは順次させて頂きますので、宜しくお願い申し上げます。
ご支援・ご協力・ご理解を頂きまして、本当にありがとうございます。
中澤 啓一郎・奈美枝・聡太郎