母は生前我が家に来る時は、私や息子の好きなものを買ったり作ったりして持ってきてくれました。家族だけではなく、仕事場や友達に対してもそうで美味しいものがあれば色んな人にあげたくなるしそんな奉仕の精神というか自分よりも他人の為と思うような人でした。

 

 

ベーグルは私の好物の1つでもあるのですが、いつも5~6個買って持ってきてくれていた母。私の住んでいる市には店舗がない為、いつも母はベーグルを買いに行った時余分に買ってきてくれていました。でも、3年前ぐらいに私の住んでいる市に新しい店舗が出来ることになりました。

 


『ポイントカード共通だから、良かったらお母さんの持ってるの使っていいよ』

と言われ母からもらったポイントカードをお財布にしまっておきました。中々行く機会もなく、暫くして母が亡くなりずっと今までベーグル屋サンに行けてませんでした。

 


なんとなくベーグルを見ると母を思い出してしまい足が遠のいていたんだと思います。でも、先日初めてお店に行きベーグルを購入してきました。ポイントカードの存在は、忘れていたのですが店員サンが

『ポイントカードはございますか?』

と聞いてくれそう言えば…と思いポイントカードを出しました。

 

母からもらったポイントカードの中は、もらってから一切見ていませんでした。お会計の際、店員サンが

『ポイントが貯まっていて4個分無料になりますので今回使用しますか?』

と聞かれびっくりしてしまいました。母は、貯めたポイントを1度も使用していなかったようです。なんだか、店員サンとポイントの話をしている時一気に母のことが思い出されて苦しくなってしまいました。

 

 
母の病気が判明し手術後初めて退院したとき、スーパーに寄ったのですがたまたまそこでベーグルが売っていて一緒にオレンジのクリームチーズのベーグルを半分ずつ一緒に食べた事思い出しました。2回目退院した時は、ソフトクリームを半分ずつ食べた事…。思い出すだけで涙が溢れます。
 
 
亡くなった事は理解していても、中々心が着いていきません。昨日、ニュースを見ていてふるさとの料理はなんですか?というコーナーで『祖母が作ってくれる〇〇』とか『母が作ってくれる〇〇』という言葉を聞くだけでものすごく羨ましくなってしまいました。母の手料理がとても恋しくなりました。息子がもっと成長した時も、側にいて欲しかったなぁ…。比べても仕方ない事なのに、70歳・80歳・90歳と元気な高齢者を見ると羨ましくなってしまいます。