ソロモンの指環は、聖典『旧約聖書』の「烈王記」に登場する古代イスラエルの王、ソロモンが所有する指環である。ソロモン王は、エジプトのファラオの娘を娶った際に、神に盛大な贈り物をし、その引きかえに智恵を授かったといわれ、知恵者の象徴となった。
子供をめぐって争う二人の女に対し、賢明な裁定を下した話は有名で、世界に広く伝わっている。
さて、イスラエルを繁栄に導いたソロモン王は、エルサレムに神殿を建築することにした。しかし、工事が思うように進まなかったため、ソロモン王が唯一神ヤハウェに祈ったところ、大天使ミカエルが降臨してひとつの指環を授けたという。ソロモン王は、授かった指環の力で多数の天使や悪魔を召喚すると、彼らに神殿を建築させたというのである。
ユダヤの伝承によれば、この指環は『ソロモンの大きな鍵』と呼ばれる魔導書とともに与えられたものともいわれ、魔導書によって呼び出した72の悪魔を従わせ、封じる力があったといわれている。
また、イスラム圏の伝承によると、ソロモン王は錬金術に通じており、指環は彼自信の手によって作られたものだという。
指環にはアッラーの神の名が彫られていて、善良なるジン(イスラムの魔物)と邪悪なるジンの双方を従える力があった。


参考文献
幻想世界研究会・伝説の「武器・防具」大辞典・株式会社双葉社(2008)