★◎ パースエージョンズ・インタヴュー~歌うために生まれてきた男たち | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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★◎ パースエージョンズ・インタヴュー~歌うために生まれてきた男たち

【Persuasions: The Men Born To Sing】

ID。

2012年12月23日放送の「ソウル・サーチン・レイディオ」でこの週来日するパースエージョンズの紹介をしたら、DJマーヴィンが、「(彼らには)会えないの? 会って、『ソウル・ブレンズ~~』とか、やってもらえたらいいよね」というので、それはいいアイデアと思い、早速オファーしたところ、コットンから快諾いただき、2日目のファーストとセカンドの間に楽屋におじゃましてコメント録りをしてきた。これがあまりの感動物だったのでその様子をご紹介しよう。

当初の予定としては、「Hi, We are Persuasions. You’re listening to Soul Blends, Soul Searchin」という言葉を言ってもらおうということだった。すると、「ムーンライト・アンド・メロディー」をやってからMCにしよう、となり、これをその場で歌い始めた。ハーモニーは完璧。いきなり歌われてこちらはびっくり。

そこですぐに調子に乗って「では、ちょっとSoul Blends, Soul Searchin にメロディーをつけて一節お願いできますか」と頼んだら、打ち合わせもせずに、リードのデイヴがちょっと歌いだし、残りがハーモニーを付け始めた。いつでも、どこでも、何でも歌えるパースエージョンズ!

最初のテイクはこのメロディーにジミーが「ハ~~イ、ウィアー…」としゃべりをのせた。これを2度ほどやると、もちろんこれも「頂けるテイク」なのだが、デイヴが「MCなしのメロディーだけのをやろう」と言いだした。まさにそれをお願いしたかったので、これまた感動。そして1度目のテイクで見事な15秒ヴァージョンが録音された。

インタヴューとこのIDは、2013年1月6日の「ソウル・サーチン・レイディオ」のコーナーでご紹介します。

○ 新春第一弾「ソウル・サーチン」でパースエージョンズ特集

インターFM76.1mhz、午後2時半~
ラジコでも。http://radiko.jp/#

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出会い。

「ジミーとジョイオーティスさんはオリジナル・メンバーですね。お二人の出会いを話していただけますか。エレヴェーターで歌っていたという有名な話があります。それは本当ですか」と聞くと、ジョイオーティスが「ははは。その通りだよ」。そして、ジミーが「僕たちの出会いについて(メンバーの)5人に聞けば、5つの違ったストーリーが聞けると思う。でも、そのどれもが部分部分で真実なんだ。今君が言ったエレヴェーターで出会ったというのも本当だよ」と答える。

低音のジミー。「僕はブルックリンのデパートのエレヴェーターで歌いながら、エレヴェーターを動かしていた。みんな僕のエレヴェーターに乗りたがったんだよ。僕がいつも歌っていたからね。あるとき(オリジナル・メンバーとなる)ジェリーがエレヴェーターに乗ってきた。それで僕たちは何度もエレヴェーターで上に行ったり下に行ったり、ひたすら(その中で)歌ったんだ。そうしてジェリーと僕が出会った」

ジョイオーティス。「物語は続く。(他のオリジナル・メンバーの)スイート・ジョーとトゥーボが別のグループで出会った。僕は別のグループにはいろうとしていた。共通の友達が彼らに僕のことを話した。そして彼らとある夜みんなで会った。僕が何曲か歌うと、彼らが『おおっ、じゃあ、(君を僕らのグループに)受け入れるよ』と言ってくれた。こうして僕はパースエージョンズになった」

エレヴェーターで歌っていた曲はどんな曲だったのだろうか。

ジミー。「『アイ・ジャスト・キャント・ワーク・ノー・ロンガー』とか」 (と言ってすぐに歌い始める。これはインプレッションズなども歌っている曲。ジミーが歌い始め、みんながすぐにそれについて歌う)「この曲は、フランク・ザッパから電話があったときも歌った曲なんだ」

アカペラ。

ジェイオーティス。「アカペラで歌うということは、僕にとってはたとえばピアノ、ホーン、ギター、あるいはサックスを弾くように、楽器を奏でることと同じなんだ。同じフレーズを歌っても、僕が歌うのとデイヴが歌うのでは歌い方が違う。それは彼の楽器が違うからだ。(とここで、最初ジェイが歌い、それを受けて、デイヴがそのことについて一言言って『ビューティー・イズ・オンリー・スキン・ディープ』(テンプテーションズのヒット)を歌い始める。デイヴが歌いはじめると、みんながまたコーラスをつけてハーモニーを歌い始めた!)」

一体、レパートリーはどれくらいあるのでしょうか。

「さあ、わからないなあ。数えたこともない」

ジェイオーティス。「僕たちはありとあらゆるタイプの歌を歌うんだ。何でも歌える。(だから)何曲かなんてわからない」

彼らはステージで「僕たちはアルバムを44枚出した」「いや69枚だしてる」などとメンバー同士で冗談を言うほど、多くのアルバムをだしている。本当に、彼ら自身も正確なアルバム数がわからないのだろう、と思う。

すると、レパートリーはたくさんあるんだといわんばかりに、ジミーが「ボンボン…」と歌い始めた。すぐにメンバーがついてきた。これは「ハイム・ナンバー・ナインHymn #9」だった。

いつでも、どこでも、何でも歌えるパースエージョンズ! 

本当に歌うことが大好きで、ちょっとしたことでいつでも、どこでも、何でも歌う。本当に歌うために生まれてきた男たちだ。

~~~

ステージ。

インタヴューを終えた後のセカンド・ステージで、彼らは途中で「さきほど、ラジオのインタヴューを受けた。なんだっけ、ソウル・ブレンズ、ソウル・サーチン。その番組のために歌った『ムーンライト…』を歌おう」とデイヴが紹介。そして、「ムーンライト…」を歌ってくれた。これももちろん感激だ。

彼らはセットリストをいつでも変えられる。何でも、どこでも歌えるのだ。

(昨日も書いたが)この日セカンド・ステージが終わり、サイン会をした後、ちょうど隣のカップルの女の子が誕生日だった。すると、5人で彼らをかこみいきなり「ハッピー・バースデイ」を歌い始めた。その女の子は「もう泣きそう」と大感激だった。

初日ファースト後のサイン会で佐藤善雄さんが友人のソウル仲間たちとレコードにサインをもらっていた。すると一緒にいた白川さんが「彼はベースを歌うんですよ」と言うと、いきなりメンバーが「シックスティー・ミニット・マン」を歌い始め、それにのって善雄さんがベースのリード部分を歌った。

つまり、いつでも、どこでも、何でも歌えるパースエージョンズ!

そして、翌日このインタヴューの席で、デイヴがスタッフに向かって言った。「昨日、ドゥワップのシンガーが来て『シックスティー・ミニット・マン』を歌っていた。ヨシオ? おお、そうだ。かつてドゥー・ワップを歌っていた、という。もしオーディエンスの中に僕たちの曲を知っている者がいたら事前に教えてくれ。どんどんステージにあげて一緒に歌ってもらうから」 ということは次回、善雄さんがパースエージョンズに行ったら、きっとかれらにステージに引っ張り上げられオンステージで「シックスティー・ミニット・マン」を歌うことになるのではないか。パースエージョンズは、とちゅうでの観客とのコール&レスポンスでもわかるように、観客を楽しませることを最大の喜びとしている。この徹底振りは本当に脱帽だ。

いつでも、どこでも、何でも歌えるパースエージョンズ!

彼らのステージは、ステージだけにとどまらない。オン・ザ・ストリート・コーナーで、客席で、インタヴューの席で、廊下で。世界中のどこでも彼ら5人が揃えば、その瞬間そこがパースエージョンズのステージになる。この歌心精神、本当に素晴らしい。また1年か2年後に戻ってきて欲しい。

■過去関連記事

(パースエージョンズについての詳細記事)

結成50年ア・カペラの超大物パースエージョンズ奇跡の初来日
2012年09月27日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11364865098.html

来日詳細はこちら。
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/2012/1226_persuasions

ジョー・ラッセル(パースエージョンズ)、死去~名門アカペラ・グループの一員
2012年05月10日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11245727557.html

続・パースエージョンズ・トリビュート
2012年05月12日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11247440195.html


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