焦がれる様な恋をしないままの
様にも思えるし、時と共に
薄れただけかも知れない。

懸命に生きた様にも思えるし
然程にも生きて居ない様な氣もする。

枯れる程に泣いただろうか?
枯れてしまったから
泣けないのかもしれない。

正直に生きた様にも思えるし
随分と自分を偽って来た様にも思える。

人の生に生まれながらにしての
転生があるなら、そろそろその時を
迎えても良い筈なのだけれど
いつも期待は肩透かしを喰らって
途方に暮れるばかりだ。

しがらみだらけでは自由に生きれない。

家柄や恩義や身の上なる立場から
不自由を被ることもある。
妬まれて罪を着せられて住み慣れた
都を去らねばならぬこともある。

なればこそ、すべてのしがらみの無き
自由な身の上で生まれたならば
思うがままに羽を伸ばせると思うたが
自分に賭けた期待もままならぬまま
友垣も持たず、恋人も持たずに
人を避けて生きて来てしまった。

死に際に、冗談のひとつも吐いて
周囲を笑わせて逝くことも叶わないたろう。

まぁ、それも良しだ。
まぁ、それも良しだ。

人の世の儚きを幾度も味わえど
過ぎてしまえば束の間の夢。

魂を磨くなど程遠く我欲に溺れて
善人の面を被った嘘つきでしかない。

然し乍ら、我が身の醜きを吐いても
そんな我が身が愛おしく思える程には
僅かばかりの匙のくらいには成長も
したのかもしれません。

この命尽きる迄の新たなる舞台、
いつ来たるいつ来たると
てぐすねを引いて待てど暮らせど
腹帯の紐を結び直して、いざ!と
自らが赴きません限り
その扉も開きませぬと申される。

手段も思い浮かべられぬ内に
私とて身動き取れませぬ。

干渉かなわぬなら
声なき声の導きから
道開きの道探る他なし。

鈴の音、鳴らして知らし給へ
眷属の来たるを鈴の音で白しめせ!

🌷SoulFlower Kamuy🌷