松原豊 2019秋「幻灯会 台湾」 | 大岡英介

大岡英介

ライブイベントや制作、展示など情報。

秋の爽やかな風が吹き、この時期は、とても感覚も冴え体調もいい。

しかし、多くのネガティブ情報をメディアに煽られつつも

消費税や汚染水、東アジア問題、あいトレなど地味に生活や感覚を圧迫され

我々にいったい何ができるのかと微力ながらも考えたりする。

今回、松原豊氏「幻灯会 台湾」の写真をリハで拝見させて頂きまして

台湾の歴史に添い明暗な時代をシーン化しそれをスコア(譜)にバイオリンの宮島哉行氏を迎え

即興演奏をすると言う鳴海氏の提案になってる。
最近は、写真や映像全般を含め昔より解像度高く

美しさも鮮明になり1人1台カメラを持つ時代。
SNSにより写真の情報量も多い中『いいね』を押して楽しむ傾向だが

何か大事なものを咀嚼しないで見落としてる。
1つの作品にしても自分の過去の情報や思い込みにより鵜吞みにし混乱させてるように感じる。

咀嚼と言う事で、台湾の歴史を見ると過去にスペインやオランダの植民地の後

日本が統治し戦争敗退後、また中国に戻る。

言葉も時代により変わり続け、我々、日本人が味わった事のない辛い経験をしてる。
そんな街の風景や看板を見ると少し日本語が混じった文字を見かけたりすると演出家の鳴海氏は話す。
また沖縄に似た南国のカオスな市場や積み木のようなコンクリート住宅や高層ビル群や

無数に置かれるオートバイそして怪しげな夜のネオン街など

そんな街並みは松原氏の得意とする写真だった。
(ちなみに宗教も日本の新興宗教など含め、多々ある)

 

 

余談であるが昔、パラオ島に行ったもスペイン、ドイツ、日本と植民地になり第二次世界大戦敗北後

アメリカに占領されるのだがパラオの人々は、日本の植民地時代、パラオの人々を守りながらも

犠牲になり現在でも『ペリリュー島の悲劇は、決して忘れない』と言うTシャツを着た漁師の後ろ姿を見た事がある。

そしてレンタカーに乗りパラオのジャングルに入り

撃墜されたゼロ戦を見つけて当時の日本兵の魂に手を合わせた事を覚えている。

台湾には行った事はありませんが、写真を見ながら国の時代背景を発見するのもいい。
過去から現在まで、松原氏が見た台湾の風景の中にある時代の痕跡を咀嚼し

歴史を知るきっかけになるかもしれません。
是非、お待ちしております。

 

松原豊「幻灯会 19 秋 - 台湾」

➤ 開演日時
10月13日(日)20:00
※受付開始は開演の1時間前、開場は30分前から
※終演後、トークセッションと懇親会を予定
出演: 松原豊(写真家) 大岡英介 (ギター)
宮嶋哉行 (バイオリン)  鳴海康平(演出家)
上演時間:約45分

Théâtre de Belleville 2019 秋シーズンプログラム
主催:Théâtre de Belleville・合同会社 第七劇場
協力:特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ
後援:津市