ライトノベルを読むヤツはバカか?(1) | DONT TRUST OVER FIFTEEN

ライトノベルを読むヤツはバカか?(1)

群像だかダ・ヴィンチだか新潮だかで、「特集・ライトノベルを読むヤツはバカか?


とか何とかの記事が掲載されていたらしい。これをネットで知ったその日。


挑戦的で挑発的な文面に一目ぼれ。直ちに外出用の服を着て、本屋に直行。


徒歩30秒で我が家の向かいにある、やや寂れた雰囲気の「東山堂書店」に到着した。


しかし目的の雑誌は見つからず、そもそもこの店にタイムリーな書籍は存在せず、


唯一律儀に揃えられているのは「ジャンプ」と「サンデー」と「マガジン」を筆頭とする


ひねりもイレギュラーも無い駅の販売店ライクな、なんとまぁ無難な品であった。


軽い失望が湧くのをぼんやり感じつつ、何とは無しに「サンデー」を手に取った。


懐かしくもあり、またイタい過去を思い出す破目になった。


一年前、僕が中学二年だった頃、トレーディングカードに小遣いの大半を


消費していた時期があった。その頃はまだ「NHKにようこそ!!」にも


「GOTHリストカット事件」にも邂逅を果たしていなかったため、


小説なんぞに金を投資するという思考は端から無かった。正直バカだった。


そしてバカはガッシュのトレカに万単位の金を消費し、(アドレナリンみたいな


ものが出ていたと思う)ブームが去った後猛烈な後悔と自己嫌悪に陥るのだが。


そこまで蒸し返すと、胃の辺りが重くなったので過去をさかのぼるのは止めた。


それに、ここには目的の品は無かったのに何故俺はここにいるのだ。


しかもだ。思い出さなくてもいい事まで思い出している。もう帰るかな。


しかしちょうど読む本が無くなったし、この軽い鬱を散らしたかったので、


久しぶりにジャケ買いでもすることにした。


ジャンルは……そうだな………今まで読んだことの無いものにしたい……

ともすれば……カフカの「変身」あたりか?……それとも赤川次郎の「恐怖の報酬」

あぁそういや京極夏彦の「ルーガルー」は気になるな……古いのしかないな……


で、言うまでも無いかも知れないが僕はライトノベルを購入することにした。


実はこのK坊。ライトノベルを読んだ経験が無かった。皆無だ。


「ライトノベルを読むヤツはバカか?」


この目で見極めたいと思う。自分なりに。


参考資料は「イリヤの空 UFOの夏」アニメ調の表紙がいかにもである。


そういうわけで次回の「DONT TRUST OVER FIFTEENN」は、ラノベ考察だ。


(ところでこのイリヤの空 UFOの夏。繰り返すが表紙がアニメ調である。

2次元少女が恥じらいの表情を浮かべながら振り向き様斜め45度の角度で

こちらをうつむきぎみに見ている立ち絵である。アマゾンで確認していただきたい。

購入に関しては多少の度胸を有するものであった。しかも店員は若い女性。

こういう時のある意味での間の良さは絶妙である。心臓の鼓動が早くなった。

単品で突撃するのは無理と判断し、カモフラージュとして「変身」も購入した。

これで重ねて出すと、あわよくば表紙は見られずに済む。少し青臭い。馬鹿臭い。

千円札を渡し32円のつり銭をもらうと足早に自宅へ向かった。途中振り返らず。

心臓の音は平常時よりやや早かった様に感じた。道路を横切り、砂利道を進む。

ドアを開けた。もう大丈夫。何がだろう。とにかく購入成功。失敗も成功もあるか。

意味不明な自問を繰り返し、袋の中を確認した。2次元少女が微笑んでいた)