真・ショートショートvol.7「WHER IS ME?」 | DONT TRUST OVER FIFTEEN

真・ショートショートvol.7「WHER IS ME?」

人それぞれの恋愛感に口を出すような

思い上がりはしたくないし、俺は人にとやかく

いえるような恋愛経験なんて皆無だ。


俺はアンタの人生に何の影響もないし、

アンタも俺の人生において重要じゃあ無い。


だから、これから俺の話を聞いて

何か感じるものがあってもそれはアンタの

心の中だけにとどめておいてくれ。


これは俺のいつもの朝に展開される日常。

別段風変わりなわけではないつもりだ。


そうだ、誰だって同じのはずさ。


今日も俺は彼女に向かって「おはよう」と囁く。


同じ時間に一緒に朝食をとり、雑談の後、


定職についてない俺は仕事に行く彼女を見送る。


視界に彼女がいないと、とたんに心細くなるものだ。


存在の大切さを再確認しながら帰りを待つ。


就職活動をさっぱり放棄しているが彼女は何も言わない。


俺は彼女の顔を見ているだけで幸福に浸れるのだ。


天井のしみをボーっと見ていると、不意に後ろでチャイムが鳴った。


俺は振り替えって玄関に向かう。


彼女の部屋をピンポイントで捉えている望遠鏡から眼を離した。