岩茶小籠包 | 「お茶がスープの茶龍麺-SARYUMEN」

「お茶がスープの茶龍麺-SARYUMEN」

食べることは「いのち」をいただくということ。生産者様に感謝し、食べ物の「いのち」に対して最善を尽くすのが、料理人の使命と考えます。また、美味しい料理をお客様にご提供するのはもちろんのこと、次世代に残せるバランスのとれた軸が整う料理の追及をしております。

今年の冬は格別に寒い、という気がします。

少し暖かな日が続いたり、そうかと思うと一気に気温が下がる。そんな日が続いています。

寒くなると、風邪やインフルエンザが流行します。

予防策として、お茶でうがいすると良いとか、◯◯茶を飲むとインフルエンザに効力があるとか・・・中国茶はもともと「薬」として飲まれていたと言われています。

中国茶の中で「岩茶(がんちゃ)」があり、病気に効くと言われることの多いお茶です。

白鶏冠(はっけいかん)」「鉄羅漢(てつらかん)」「水金亀(すいきんき)」「大紅袍(だいこうほう)」

これらの名前にはさまざまなエピソードがついていて、例えば「大紅袍」などは諸説ありますが、ある頭のいい人が科挙を受けにいく途中で体調を崩して倒れてしまいます。

その近くの寺でこのお茶を飲んだら、たちまち回復して、頭も冴えて科挙で一位の成績を収めた。

その人は一位の人に渡される紅い衣を感謝の意を込めてその茶樹にかけた。

そこから「大紅袍」と言われるようになったとか。

そんなエピソードからしても、薬のような不思議な力のあるお茶だということが伺えます。

「岩茶」の作られる茶樹が生えている場所は、中国福建省の武夷山周辺の崖や硬い岩肌など厳しい環境に生えていて、岩肌から豊富なミネラルを吸収して育ちます。

味は大変印象深いものが多く、「岩韻」といわれます。

その豊富なミネラルが「冷え」に効くなどもいわれていて、寒い冬にはうってつけのお茶です。

そんな力のある岩茶を使って、生地も餡子もスープにも岩茶を入れて作ってみました。

食べた感想は、スープはコク、香りがあり、しつこくなく、あっさり。

今回の岩茶は水金亀🐢を使いました。

色々な岩茶で試してみたい魅力的なお茶。

やっぱり岩茶に魅了される人が沢山いるのが良くわかる。

奥が深い岩茶に出会えたことに感謝。

日日是好日🐉
命をつくる料理人 t.fukada