第五百五十八話 能勢ツーリング――その1
失意の隠岐ツーリングから二週間後――。
旅の疲れも一段落した頃、D先生からメールが届く。
日曜どっか逝こうぜぃ――と。
隠岐ツーが消化不良だったので、私もそろそろどこか逝きたいと思っていたトコロ。
そこでこんな場所を提案してみた――。
地図的には、こんな場所だ。
私はこれまで、ロード・クロスバイクで近畿二府四県のほとんどの国道を走ってきた。
モチロン大阪府下の市町村もすべて走破済み――
と言いたいトコロだが、
実は一箇所だけ走ってないトコロがある。
――能勢――
実は能勢だけは逝ったことがない。
理由は色々あるが、ぶっちゃけかなり面倒くさい場所なのだ。
能勢は一応大阪府である。
が、ご覧の通り、かろうじて端っこ(野間峠)が繋がってるだけで、ほとんど陸の孤島に近い。
通称――大阪のチベット(笑)
大阪最後の秘境との呼び声も高い。
道路的にも国道173号線が通っているが、兵庫県の川西・猪名川を経由しないと、能勢まで辿り着けないというほとんど飛び地に近い状況。
さらに私の住んでる生駒山系からだと、モロに梅田近辺を抜けるか、吹田・茨城・高槻のいずれかを通らないと麓の池田にさえ逝けないという有様。
いずれも渋滞地帯で、行き帰りにごった返しているのが鬱陶しく、これまで無意識にスルーしてきたのもやむを得ないところだろう。
モチロン、D先生からは二つ返事でOKサインが出た。
ピストでパスハンティングが趣味の宇宙人系チャリダー的には、
全然OKらしい。
早朝5:00に集合――と思いきやメットを忘れる大ボケをかます。(笑)
慌てて家に戻り、メット装着。
急いでD先生との合流ポイントまで走る。
イカン、久々の出撃でかなりボケとるわ。^^
阪奈道路をひた走りR1からR479に乗っかる。
豊里大橋で吹田方面へ渡る。
この道を自転車で走るのは初めてなので、一度通ってみようということになった。
(まあ、あまり通りたい道ではないのだが……)
本日の目的地は能勢とその先に抜けたトコにある瑠璃渓。
結構ハードなヒルクラだと思うが、今日も暑くなりそうなのが問題だな。
上新城のコンビニでトイレ休憩。
テキトーなとこで再出発。
内環沿いをずっと走るが、車線数の多い三叉路交差点。
早朝だからいいけど、この辺夕方は自転車で走れるトコじゃないな。
さらに進むと、阪急吹田駅のトコロで線路が邪魔。
R479の本線から外れてしまった。
……。
まあ、大体わかってたけどね。
この辺は自転車にとっては、ものすごくウザイ道路事情。
これだから、吹田方面はあまり走りたくなかったんだけど。
仕方なく、地図を確認して裏道から服部に抜ける。
服部でR176に合流。
そのまま北上して、ひたすら直進。
R173に乗り換える。
池田駅の近くで24Hのデニーズを発見したので、ここで朝飯にすることにした。
こっからヒルクラゾーンに入るのと、この先店がどれくらいあるかもワカラン。
ここで腹ごしらえしとかないとね。
朝飯タイムを終えて走り出す。
が、ちょっと長休憩しすぎたのか、もう8時すぎ……。
だんだん暑くなってきたな……。
(ちょっとヤバイか?)
ひたすら川沿いを北上。
多田銀橋の辺りまで来たけど、案外店があるな~。
交通量も結構多いし、意外と街の体をなしている。
と、ここからジンワリ登っていく。
いよいよヒルクラの始まりか?
と思ったらそうでもない。
キツめのアップダウンを繰り返しながら徐々に登っていく感じ。
結構、脚使わされるんですけど……。
と思ったら、正面に能勢電が見えてきた。
(能勢電とかいう割りに、能勢まで逝ってないんだけど……)
一の鳥居をすぎた辺りで、また街が出てきた。
なんだ?
意外と民家も店もあるじゃないか?
もっと辺鄙なトコかと思ってたけど、川西は結構街なんだね。
さらに進み続けると、いよいよ複雑なゾーンに突入。
R173(能勢街道)は自転車進入禁止になる。
地図的にはこんなルートで抜けていく。
池田方面から登ってみたい乗りは参考にして欲しい。
最近お気に入りの、Googleアースでチェック済みだったので、細街路もバッチリだった。
前川橋からの眺め――
て、すでにR173かなり上を走ってますが……。
こっから一庫(ひとくら)ダムまで登っていかないといけない。
さて、いよいよ真夏のヒルクラ開始かな?
まあ、この後地獄見るんだけど(笑)
次回へ続く――