第五百三十六話 オキツー2nd(一日目)――その3
――オキツー2nd――
大阪~隠岐の島までロードバイクでツーリングする作戦である。
前回の続き――
そろそろ加古川市を抜ける頃だと思う。
相変わらずR250は延々真っ直ぐ続いている。
陽射しの鬼度が増してきたのでありがたい。
岡山まで、あと97km。
何とか朝のうちに半分くらい距離を稼ぐことができた。
ちなみに、統計的には熱中症は、
AM10時~AM11時
PM1:00~PM2:00
頃に多いそうだ。
気温が急激に暑くなる時間帯と、昼が終わって仕事し始める時間帯が一番危険度が高いらしい。
て、ことは、こっから30~50km区間が一番リスクが高くなるということだな。
あまり無理せず適度にペース配分・休憩を心がけるとしよう。
倒れたら元も子もないからね。
やとこさ姫路に突入だな。
まだ兵庫県だけど、この辺から先は近畿っぽい感じでは、なくなってくる。
何やら岩山。
これを過ぎると、R250がふたたびR2と合流する。
ここから右折して北上するとも一個2号線があって、その道沿いで姫路城に出られる。
でも今日は姫路市街は避けて通るので、姫路城は拝めません。
さて、問題は一旦合流したR2と分かれてR250沿いをひた走るのだが、
ドコで曲がるか――だ。
心配ご無用……。
Googleアースで道路写真はバッチリチェック済み!
今日は地図を一切持っていないが、米子・境港までのルートが、
実はすべて脳内にインストールされている。
どうにも私は地図は見れるのだが、平面で距離感が掴めず、初めての道ではよく道に迷う。
しかし――一度、自分の目で見た道路は、けして忘れない。
だから事前にGoogleアースで曲がるポイントの写真さえ見ておけば、バッチリ記憶してしまうのだ。
細街路のような宅地を通り抜け、見事R250に乗っかる。
ここら辺で、曽根のコンビニを発見したので休憩を入れる。
実は、ここから先がどうなってるか、まるでワカラン。(笑)
ひょっとするとコンビニがないかもしれないし、何となく山っぽいので、休んでおくことにした。
(勘です)
喉は渇いてないので、アイスを食べてカラダを冷やす。
すでにクソ暑くなりつつあるので、無性に美味い。^^
休憩を終えて再出発。
プチ丘を越えると、天川沿いを走る。
抜けると山陽電鉄沿いを、ひた走る。
だんだん市街から離れて、田舎道っぽくなってきた。
山が近いな~。
ざっと地図を見ただけだが、この先が何となく峠っぽい雰囲気が……。
やはり直前に休憩入れて大正解だった。^^
まあ標高はたいしたこと無いのはわかってるので、じっくり登る。
まだまだ、体力は余ってるから、楽勝だね。
登り切ってから、一旦ストップ。
念のため、ボトルの水を頭にかけて、冷却しておく。
「まだ行ける!」
という気持ちが一番危ない。
熱中症対策は普段のケアが大事。
さて、お次は山陽網干か。
ここから先はお初ゾーンなので、何があるか全く知らない。
息もつかせぬ激坂か?
非日常的な幻想的大自然の風景か?
知らない道にアタックするというのは、何ともワクワクする楽しみ。
それも車や新幹線のように高速で駆け抜けてしまうのではなく、
風景を目に焼き付けながら山沿い・海沿いをゆったりと走っていく。
これがロングライドの醍醐味。
苦労して辿りついた景色というのは、また格別。
化石燃料に頼る者には、得られない達成感。
峠の頂上に立った時、感動できるのは――己が脚で坂道と格闘した者だけである。
さあて、先が楽しみになってきた。
次回へ続く――